晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

がん・認知症・老化(5) 8/15

2020-08-15 | 健康

2020.8.15(土)晴れ  老化とは何か:免疫系の二つの顔-1
                がん・認知症・老化(4)は2020.4.20
 2019年11月16日(土)メルパルク京都でひと・健康・未来研究財団の助成研究発表会が行われた。その際に「老化とは何か:免疫系の二つの顔」というタイトルで京大の湊長博先生の特別講演が行われた。湊先生と言えばオブジーボの開発でノーベル賞を受賞された本庶教授と共同研究をされていたという方で、こんな機会はそう無いと思い参加した次第である。湊先生は随分若い方だと言う印象だったのだが、実は私と同い年と知って驚いている。髪は黒々ふさふさ、顔は張りがあって艶やか、何か秘策があるのではないかと聞きたいくらいである。そしてもっと驚いたのは、今年の7月21日に京大の次期総長に選出されたことである。驚くことではないのかもしれないが、次期総長の講演を聴くことが出来たのは何か嬉しい気がする。

湊氏の次期総長決定の新聞記事、京大には立て看や吉田寮などの問題があり、前途多難か?

講演当時は京都大学プロポスト 理事・副学長の肩書きだった。
新聞紙上に老化細胞の関連記事もよく見られる。
 講演内容は予想通りよくわからないもので、後日発行される会報の記事を待った。この間いくつかの文献を読み、新聞記事なども集めていたので、講演内容の記事を見るとその内容は概ね理解することが出来た。
 がんは遺伝子の変異が積み重なって発症するもので、加齢とともに変異の回数が増えるので老齢になるとがんの発症は増えるというのは誰でもが理解できることである。この講演では、老化細胞と老化関連T細胞(SA-T細胞)ががんの発症に影響するというものである。正常細胞は分裂をし、やがて死んでしまうのだが、加齢やストレスによって、死なないのだが分裂は止めてしまう老化細胞が出来てくる。細胞のがん化を防ぐという防御的側面もあるが、多くの炎症因子を放出するという一面もある。免疫細胞にも老化細胞があって、SA-T細胞と呼ばれているが、T細胞本来の機能はなく、大量の炎症因子を放出する。本庶先生の免疫チェックポイント阻害療法(オブジーボ)についてもこの講演でよく理解できたが、この素晴らしい免疫療法も全てのがんに効くわけでは無いというところにSA-T細胞の存在が関与しているとも言われている。
 加齢とともにSA-T細胞は増え、免疫機能の低下と炎症反応の増加といういわゆる老化現象を引き起こす。がんは炎症環境を好み、免疫機能の低下はがんの増殖を促進するものだから、細胞老化とがんは関連性が高いものである。
 ざっとこのような内容なのだが、身体の表面的な老化と細胞の老化は深くかかわっていることと、がんと老化の関係もよく理解できる。
 老化細胞は生理現象だから避けられないが、増加してくると様々な障害が出てきて病的老化が始まる。この対処について二つの方法が考えられる。一つは細胞を若返らせる、いわゆるアンチエイジングだが、湊先生は可能性の証拠は無いとおっしゃっている。それよりも可能性があるのは、老化細胞を取り除くことである。正常細胞を残し、老化細胞だけを取り除く事は困難が予想されるが、動物実験はすでに行われており、海外では人体での治験もあるとかないとか。これが可能になればがんだけでなく認知症や心臓病、糖尿病などあらゆる病気の治療に多大な貢献をするものと期待されている。
【今日の”のびちゃん”】NO. 37
 夏の散歩は人ものびも厳しい。おにいのお下がりのクールネックバンドをしてるのだが、水分に反応してぺろぺろとなめまくっている。
 
暑くても変わったところへは行ってみたいようだ。好奇心旺盛。
 
 

 

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