晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

がん・認知症・老化(9) 9/11

2020-09-10 | 健康

2020.9.11(金)「がんに効く生活」-2
 「がんに効く生活 Anti Cancer」 ダヴィド・S・シュレベール著 NHK出版 2009年発行 古書
 
375頁の大作
 著者はピッツバーグ医科大学院臨床精神医学教授で1961年生まれ、31歳の時に脳腫瘍を患い、余命宣告を受ける。手術、投薬を続ける傍ら、自らの力でがんを克服できないかとあらゆる研究を始める。食事療法、運動療法など多岐にわたって科学的に探究されているが、特に専門分野である心の問題についても詳しく書かれている。それらを実践し、死の宣告を受けたにもかかわらず、51歳まで命を長らえたのは彼の説に大きなエビデンスを与えるものではないだろうか。特にこころの問題は、著者が実際に体験した、がん宣告の恐怖、闘病の苦しさそして死の恐怖など実体験から編み出されたもので、信頼感がある。
 このたぐいの本は数多くあるが、非科学的なものが多く説得力に欠けるものが多い。また医師によって書かれた本は数多くの論文から、自説に都合のよいものだけを取ってきて利用しているものがよくみられる。本書を読んで、「あの説はこの論文からとられたものか」という説がいくつか見られた。本書では他の論文を引用した場合に、詳しくその概要や周辺情報まで書かれている。(英語の部分が多いが)
 がん治療に関して免疫力とか自然治癒力を説く本は、外科手術、放射線治療、化学療法などを否定するものが多い。本書はこういった西洋医学に基づく治療の効果をあげるために自然治癒力を高めるという考え方で、がんの治療に関して最も妥当な方法と思う。
 本書を読んで、今まで解らなかったこと、不思議に思っていたことがいくつか解明できた。その例を少し紹介してみよう。
・それは血管新生抑制因子のことだった
 近藤誠先生の著書で(2020.4.10参照)元のがんは既に転移したがんの増殖を抑えているので、手術によって元のがんを切ってしまうと、転移したがんが暴れ出す。というようなことが書かれていた。一体何のことか解らなかったが、どうやら新生血管を造ることを抑えている化学物質を出しているようだ。がん細胞は新生血管を造り出し、そこから栄養を補給して増殖する。だとすると医学としては、手術をしないという発想より、転移したがん細胞に新生血管を造らせない薬とか方法を追求すべきだと思うのだが。
・祈りはがんに効く
 瞑想、マインドフルネス、祈り(ロザリオ、マントラなど)をすると、・免役システムの正常な作動・炎症の減少・血糖値のよりよいコントロールの効果があるとされる。(ニューヨーク科学アカデミー年報)これは将にがんの成長を妨げる要素である。ここで以前に紹介した般若心経(2020.6.8~参照)やオンマニペメフム(マントラ)におまじない効果があると書いたが、やはりそのリズムにバイオリズムを調和させる効果があると言われている。こういう方面は科学的に証明される事は少ないが、本書は科学的にわかりやすくアプローチされている。つづく
【今日の”のびちゃん”】NO.40
 定期の検診にキャドックさんに行く。当初は怖がって震えていたのびも慣れてきたのか、随分落ち着いている。エコー診断の結果心臓にフェラリアの影はなく、次回血液検査で陰性となれば全快と言うことなのだろうか。とにかく元気でいることがありがたい。
 
海自の警備犬も診察に来ていたよ。待合でも落ち着いて待てるようになった。 


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