東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

時と共に前へ

2011年10月14日 21時31分19秒 | 雑記
 今日NHKのニュース番組で、中国の国際的ピアニスト、ラン・ラン氏が仙台を訪れ、チャリーティーコンサートを開いた模様を伝えていました。
 
 今やコンクール歴の明示も必要のない大活躍をしているため、これまで知らなかったのですが、同氏の音楽家としてキャリアの大きな転換点となったのが仙台、そこで行われたコンクール(若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール、優勝)だったとのことです。
 多くの音楽家が来日をキャンセルする状況は今も続いています。加えて、東京でウィーンフィルの演奏会に出ていたという、忙しいスケジュールの合間を縫っての仙台訪問でした。地震の爪痕を目のあたりにして絶句するラン・ラン氏。コンサートで選んだ曲はリストの「ラ・カンパネラ」、タイトルを意味する鐘は、時の暗示でもあります。災害の日から前に進めない人々に、時と共に前に進んで行って欲しいという願いを込めての選曲でした。顔を紅潮させて長いトリルを奏する様子に、その思いがひしひしと伝わって来ます。「皆で前に進んで復興できた時、ここに戻って演奏したい」と語る彼の視線も、まっすぐ前を向いていました。

 震災直後から、音楽に何ができるかということをいつも考え、それは今も続いています。人々に音楽と共に寄り添うラン・ラン氏の姿は、その一つの回答でもあったように感じました。

 

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