NHKの「プロフェッショナル」という番組で、デザイナーの佐藤オオキ氏にスポットをあて、若狭塗りの箸の新しいデザインを作るという企画に密着取材をしており、面白く見ました。
佐藤氏の仕事ぶり、出来上がったデザインも思わず唸るような素晴らしさだったのですが、ものづくりは当然、一人の力で出来上がるものではありません。彼のデザインした箸は本当に美しかったのですが、素人目にも「これを実際に作るのは大変な困難であろう」ということが容易に察せられるもの。どうなるかと思いましたが、そのデザインを見た協力工場の職人さんが「これはやるしかないでしょう」とニヤリと笑い、締め切り前に見事なものを作り上げたというくだりが一番印象に残りました。デザイナーの本気と職人の本気がぶつかりあってこそ出来た製品、きっと購入した人にもその愛情は伝わることでしょう。
私はいわゆる「職人技」にめっぽう弱く、素敵な器や工芸品を目にすると、しばしうっとり佇んでしまいます。こういうものは、作り手の思いがダイレクトに伝わってくるのですよね。しかしそれは一点ものではない工業製品でも同様に欠かせないもの。私が以前勤めていた印刷会社の工場にもいたよなー、こういうお方が。しみじみと懐かしく思いを馳せてしまいました。
実はオーケストラも職人技のオンパレード、我々も聞き手に思いの伝わる演奏をしなければなりませんね。
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