ずっと見そびれていたいた映画、「三度目の殺人」が今週で終わってしまう(最寄りの映画館でですが)と知り、滑り込みセーフで見てきました。
見たかった訳は、是枝監督の作品だから。わりとストーリーが気に入ると見に行くことが多いのですが、今回は別です。しかし私が前回見た「海街ダイアリー」(これも良い映画だった!)とは全然テイストが違います。敢えて言えば人間の不条理を描いた法廷ミステリー。映像の美しさは相変わらずですが、カラー映画にも関わらず、どこかモノクロ映画の光と陰を感じさせ、それがまた映画の内容とよく合っているのです。テレビドラマの明るく平面的な画面とは全く別もの。内容はシリアスなので、パッと元気になりたい方には不向きかもしれません(私もどちらかというとハッピーエンドの方が好きなのですが。。。)。
この映画では、全ては観客の想像に委ねられているというか、真実は「薮の中」。正直これだけ大掛かりな殺人で、科学の発達した現代でも、物証が全くないというのはよくあることなのか?という疑問は持ちましたが(無粋ですみません、、、)有力な証拠がないまま裁判を行わなければないというのは、特段珍しくもないのかもしれませんね。そう思えば「人が人を裁く」ことの怖さを改めて思い知らされます。
留萌の場面で流れていた音楽の三連符がやけに恐ろしかったり(そういえば三連符って使われ方によって結構不気味)、裁判所の床が黒と白の市松模様だったり、細かいところまで心に残る名画でした。そして俳優さんたちの演技が素晴らしい!それだけでも一見の価値ありです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます