東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

クレヨン王国

2012年12月03日 17時04分56秒 | 時事

 先月19日、「クレヨン王国」シリーズで知られる福永令三氏が肺炎のためご逝去されました。実はこのクレヨン王国シリーズは、私も小学生の頃から好きでよく読んだファンタジーです。亡くなられたというニュースを読んで、当時のことを懐かしく思い出しました。

 私が読んだのは、シリーズのごく一部だと思いますが(長く続いているシリーズなので)、一番心に残っているのは、「クレヨン王国新十二ヶ月の旅」というもの。これには対になっている前作があり、「クレヨン王国の十二ヶ月」というタイトルなのですが、こちらは悪いクセばかり十二個も持っているわがまま一杯のシルバー王妃様が、家出したゴールデン国王が探す旅の中で悪いクセを一つずつ直し、旅の終わりには見事、王妃にふさわしい女性になっている、というお話です。

 それに対し「新十二ヶ月」の方は、すっかり立派な王妃になったはずなのに、王妃の人気は落ちる一方、王妃も元気がなく、見かねたサンタクロースが王妃に里帰りをさせようとした際にブラックホールに落ちてしまい、元の世界に帰るために再び一年間旅をするはめになります。しかしその旅の中で、王妃は「短所を押し殺して自分らしさを失っていた」と気付き、一つずつ「自分らしさ」を取り戻して行くのです。

 この話が教えてくれた「短所は長所につながる」というテーマに、とても感動したのを覚えています。あとがきか話の中か忘れましたが、「迷い易い人は慎重だ、という具合に、悪いところは見方を変えれば良いところともいえる」という内容の記述があったと記憶しています(今手元にないので、確認できないのが残念です)。本当にその通りです。あの話を読んで何十年も経ちましたが、その思いは今も変わりません。大切なことを教えて下さった福永さん、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈り致します。

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