東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

一足先のクリスマスメッセージ

2012年12月16日 23時29分04秒 | 雑記

私の実家の近くに、「風の丘ホール」という、オペラ公演を個人で主催されているホールがあります。小さな舞台なので、演奏はオーケストラではなくピアノなのですが、第一線で活躍されている歌手の方々が出演し、観客は間近で一流の音楽を楽しめる、充実した空間になっております。

そこの主催者の方から、「こういう素敵なメッセージを頂いたのでご紹介します」というメールを頂きました。それが本当に心温まる文章だったので、お裾分けに、私もここに掲載したいと思います。少々長くなりますが、以下、その文章です。

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「一人の人間の影響力を知っていますか?」


クリスマスが近づいてきましたが、
クリスマスの映画には、
...


「クリスマス・キャロル」
「34丁目の奇跡」
「ポーラー・エクスプレス」
「戦場のメリークリスマス」

など、僕の好きな映画がいくつかあります。

そして、中でも僕が一番好きなのは、
「素晴らしき哉、人生!」 です。
(原題は「 It’s a Wonderful Life 」)


ご存知のかたも多いと思いますが、
ちょっとだけストーリーを紹介しますね。

主人公のジョージ・ベイリーは
他人の窮状をほっとけない善人。
しかし、彼の人生は、
なかなか思いどおりになりません。

世界旅行に行く夢をあきらめ、
大学に行くことも断念しました。
さらに希望する仕事に就くこともあきらめます。

そしてある日、ジョージは大金を失くして、
人生に絶望します。
「自分なんか生まれてこなきゃよかった」と、
自殺を企てますが、
そこに現れたのは“見習い天使”のクラレンス。

「自分がいないほうがいいんだ」と訴えるジョージに、
クラレンスは、
「ジョージが存在しない世界」つまり「もしもジョージ
が存在しなかったら、どうなっているか」を見せます。

そこでジョージは、
ちっぽけな存在だと思っていた自分が、
いろいろな人の人生に影響を与えていたことに気づき、
人生の素晴らしさ、深遠さを実感するのです。

ラストシーンは感動ものです。


この映画を見るたびに思うのですが、

僕たちは、気づかないうちに、
出会った人たちの人生に
さまざまな影響を与えているんですね。

一人の人間の行いは、
この世界に、
はかり知れない影響を及ぼしているのです。



一人の人が世界に及ぼす影響を考えるうえでは、

『希望をはこぶ人』(アンディ・アンドルーズ著)
の中で紹介されている話も示唆に富んでいます。

20億人の命を救った人の話です。


ノーマン・ボーローグという人がいます。
彼は、水不足で作物が育たない地域でも収穫できる
小麦とトウモロコシを、
品種改良によって開発しました。

ノーベル賞委員会が調べたところ、
ボーローグの開発した品種のおかげで、
中南米からアフリカ、アジア、シベリア、ヨーロッパ、
アメリカ南西部の砂漠に至るまで、世界中で
20億人が飢餓から救われたことが判明しました。

ボーローグが改良した品種によって
20億人もの人が餓死しなくてすんだわけですから、
これはすごい貢献ですよね。


しかし、
本当の意味で20億人の命を救った人は別にいる
というのです。

その人は、ヘンリー・ウォレス。

彼はフランクリン・ルーズベルト政権下で
副大統領を務めた人です。

ウォレスは副大統領に就任すると、
小麦とトウモロコシの品種改良を実現するため、
自らの権限を行使して研究所を設立しました。

その研究所の所長に任命されたのが
若き農学者のノーマン・ボーローグだったのです。

つまり、ウォレスが研究所を設立しなければ、
20億人の命を救った小麦とトウモロコシは、
開発されることがなかったのです。

ウォレスこそが、
きっかけをつくった人だったのです。


しかし、
20億人の命を救った功績をたたえられるべきは、
ウォレスではないかもしれないというのです。

20億人の命を救ったのは
ジョージ・W・カーバーではないかというのです。

ジョージ・W・カーバーは大学生だったころ、
週末になると、大学教授の6歳になる息子と
植物調査に出かけました。

この小さな少年(教授の息子)の人生は、
このときのカーバーとの体験によって方向づけられ
ました。

この少年こそがヘンリー・ウォレスなのです。

したがって、
植物(農作物)を通じて人類を救うというビジョンを
ウォレスに与えたのは、
ジョージW・カーバーだったということになります。


しかし、本当の意味で20億人の命を救ったのは、
ミズーリ州のある農夫かもしれないというのです。

ミズーリ州のある村にモーゼスという農夫がいました。

当時、ミズーリ州を含め南部の州は、
奴隷制度を支持していましたが、
モーゼスは黒人を奴隷として扱うことに反対しました。

そのためモーゼスは周囲から
「黒人奴隷に同情的な立場をとる裏切り者の白人」と
みなされました。

そしてある日、ゲリラ隊がモーゼスの農場を襲い、
農場で働いていたメアリーという黒人女性を捕らえ、
生れたばかりの赤ん坊を抱いたままのメアリーを
オートバイで引きずり回したのです。

モーゼスは交渉するためにゲリラ隊に会いに行き、
そこで自らの馬を差し出しました。
ゲリラ隊はその馬と引き換えに、
何かが入ったぼろぼろの麻の袋を
投げてよこしました。

その袋の中にいたのは、
瀕死状態の赤ん坊でした。

モーゼスは、
母親のメアリーがすでに命を落としていることを直感し、
その赤ん坊を妻とともに育て、しっかり教育を受けさせ
ようと誓ったのです。

そして、その子にジョージと名づけ、
カーバーという自分の姓を与えました。
これがジョージ・W・カーバーという名の由来です。



ボーローグが品種改良に成功できたのは、
ウォレスが研究所を設立したおかげだった。

そのウォレスが農作物の品種改良を重視したのは、
ジョージ・W・カーバーとの体験の影響だった。

そして、
そのジョージ・W・カーバーの命を救って育てたのは、
モーゼスだった。

そして、そのモーゼスにも
彼を育てた両親がいるわけですし、

こうやってさかのぼっていくなら、
どこまでもさかのぼっていけますよね。

つまり、
どこまでさかのぼれば、20億人の命を救うという
偉業の発端を特定できるのか、
それは誰にもわからないのです。

以上、
『希望をはこぶ人』の中で紹介されていた話でした。



僕たちは人生の中でたくさんの人に出会いますが、
その出会った人たちの人生に、
はかり知れない影響を与えるのだと思います。

そして、その影響は、
世代を超えて波及していくわけですから、

僕たちは、
まだ生まれてきていな未来の世代の人たちにも
未来永劫にわたって影響を与えていくことになります。



水面に投じた一石の波紋が
どこまでも広がっていくように

自分の行動が
自分の選択が
自分の生き方が周囲に広がって、
たくさんの人に影響を与え続けていくことを想像すると、
とても深遠な気持ちになります。



あなたは周りの人たちにどんな影響を与えたいですか。
未来の世代の人たちにどんな貢献をしたいですか。

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(Y.N様の文章を引用させていただきました)

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