常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

400光年の輝き

2008年06月20日 | 常念100景
槍ヶ岳山荘


明日は夏至、水分を充分に含んだ空気は、どんよりと重く、切れが悪い。
梅雨の季節、常念は終日雲に隠れている日が多い。
夜の明けきらない大気を通して、槍ヶ岳山荘からはるばる光が届いた。
400光年先の北極星の瞬きににた、小さな窓ガラスに反射する砂粒ほどの光であった。
数十キロ先の反射光と、400年の時間をかけて届いた光と、はたして同じ光なのだろうか。
常念はそこに住まう雷鳥のように、白い冬羽を脱ぎ捨てて、夏に装いを変えた。
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ホタル飛ぶころ

2008年06月19日 | 季節の便り
ホタルブクロ


ホタルブクロの花に合わせた様にホタルが飛び始めたという。
私はまだ見ていないが、そういう話を聞いたし、新聞にも載っていた。
夜が明るくなって皐月の闇は無くなったけれど、ホタルの人気が高くなってホタルの名所は混雑しているようだ。

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柿の木坂の家

2008年06月18日 | 季節の便り
柿の花(在来種)


昭和30年代「柿の木坂の家」という心を癒す歌があった。
「春には柿の花が咲き、秋には赤い実が熟れる」
柿の花が咲くのは春というより、梅雨の今頃なのだけれど、柿の木に託した甘酸っぱい少年時代の思い出が、そこはかとなく哀調の漂うメロディと共に、心の底に入り込んでいて、半世紀を過ぎた今でも歌うことができる。
近くの今ではほとんど邪魔者扱いされている柿の古木に、今年も沢山の花が咲いて、早朝から蜜を求める蜂の羽音が賑やかである。
今日も暑くなるだろう。
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桑の実の季節

2008年06月17日 | 季節の便り
桑の実

養蚕が国の命をつないでいた頃、我が集落は桑の畑に埋もれていた。
時は移り、養蚕は姿を消して、桑は珍しい植物になった。
最後まで頑張っていた近所の養蚕農家が蚕と決別して10年ほどになる。
その家に管理を依頼していた、少しばかりの桑畑がか返された時は、正直言って困惑してしまった。
思案の末に、重機を入れて桑株を抜去した。
その時、平成何年ここに桑畑ありと、隅の1本を記念に残した。
残された記念樹は育ち、小鳥たちのために毎年美味しい桑の実を提供してきた。
天候に恵まれて今年の実りは順調である、我々もお相伴にあずかろうと、指を紫色に染めて少しだけ摘んだ。
口に入れると甘酸っぱい昔のままの味が広がって、種を噛む時の感覚が何とも快かった。
当市の四賀地区では桑の実ジャムが隠れた特産品になっているらしい。



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家族離散 カルガモ一家

2008年06月16日 | 季節の便り

親ガモがヒナを探すように、低い声で鳴きながら動き回っていたけれど、後の続く8羽のヒナの姿はついに現れなかった。
気になって、稲の株間をくまなく見回ったのだが、生き物の気配はまったく無い。
子育て中の天敵に襲われたのかもしれない。
この時期の生き物達は、子供のために餌はいくらあっても足りないのだろう。
自然の摂理とわかっても釈然としない、どうしても身びいきが付きまとう。
映像で肉食獣の追跡をふりきって、逃げ延びた草食動物を見るとホッとする。
岩穴で腹を空かせて、幾日も母親の帰りをひたすら待っている、小さな命まで思いは及ばない。


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同じ瓜でも

2008年06月15日 | 季節の便り
高価なキュウリの種を、小さなポットに蒔いて、日が暮れると家の中に取り込み、過保護な位に気遣いして、その芽生えを楽しみに待ったけれど、この回はついにどのポットからも双葉を見ることが出来なかった。
川沿いの道で、本葉を伸ばした立派な瓜苗を見つけた。
あっちにもこっちにも、なんとまあ無造作に生えていることか!!
悪名高きアレチウリの芽生えである。
このまま放置したら、国中がアレチウリに占拠され、生態系に重大な影響を与えるかも知れないという危機感から、行政を挙げて駆除を呼びかけている。
しかし拡大こそすれ衰退の兆しは全く見えない。
この帰化植物の原産地はカナダだと聞いた。
カナダでは国土一面、この棘棘瓜で覆われているのかな?

アレチウリの芽生え
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栗玉蜂の不思議

2008年06月14日 | 季節の便り
山沿いの道を行くと山栗があって、その枝の節々に不思議な実が付いている。
栗玉蜂の虫えいである。葉の付け根が宿主の意に反して増殖する、宿主にとっては厄介な悪性腫瘍である。
しかし 栗玉蜂にとっては自分の畑に子供の成長を期して種を蒔いているのだろう。
その種とは何だろう

虫こぶ



虫こぶの中には数個の小部屋があって、それぞれに1ミリくらいの白い小さな幼虫が入っている。
虫こぶをかじってみると未熟な果物の味がした。

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カルガモの親子  父からの手紙(最終)

2008年06月13日 | 季節の便り
山際の道を下って、川沿いの道に出ると周りに早苗が風にゆれる緑の水田が広がる、朝のウオーキングコースである。
今朝 足音に驚いたらしいカルガモの親子が、畔の草むらから水田に逃げ込んで様子を窺っていた。
あいにくカメラを持っていなかったので、家に帰ってから再度親子を訪問した。
あぜ道の同じ場所に母鳥がいて、雛たちはお腹の下に居るらしい。
近づくと母鳥が口を開いて威嚇した、やんちゃなひな鳥が一羽這い出してきた。
母鳥が立ち上がって水田に入ると、雛は行儀よく一列に並び親の後に続く。総勢8羽ほのぼのとした風景である。



父からの手紙(最終)
[私は十四日以来組の宿舎である官舎に組の次席の鎌田さんの部屋に泊まって毎晩組の清潔な風呂に這入ります。
食事は可野さん宅より一層質素ですが食費は月三十円位だそうです大変廉いですね。
可野さん宅に泊まっていればどうしても百円では足らないのですよ
色々書いたが実にこちらも大変忙しくて別々に便りを書いて上げられないから要二郎の方へも北のばあさんにも近所へもよろしく申し上げて置いて下さい。
私とて多少の修業は積んだ人間なんだから何年もいたら、それなりのものは得られると思う。
しかしお前さん方親子と別々に暮らすということも余りよい事ではない。一年や二年はよいが七八年か十年も一度もあわずに居たら結果は必ず悪くなるに決まっている。
たとえ金銭上で頭を悩ますことはないにしてもね]

父からの手紙はこれで終わる。
これからしばらくして、父は体調を崩し日本に引き揚げることになる。
日本国民が満洲国に王道楽土を夢見て疑いもしなかったころである。
そこはかとなく物悲しい。
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梅雨の花 柿  父からの手紙7

2008年06月12日 | 季節の便り
梅雨時の小道に積るほど大量の花を落とす柿の大木は、すっかり姿を消してしまった。
畑の畔にわずかに残った在来種の、小粒だが味の良い甘ガキの花を拾ってきた。
花には小さなスズラン型とこの型がある 雄花と雌花という人もいるけれど詳しいことはわからない。
小さなころスズラン型の小花に糸を通して首に飾った記憶がある。
記憶が連鎖して今年二月温かい国に行ったとき、香りの高い白い小花の首飾りをかけてもらった、そのひんやりした感覚を思い出した。



「それから洋服の件だが、実はもうラシャのジャンパーでは暑くてたまらんので可野さんから安い粗末な夏向きのジャンパーでも買って貰おうかと思っているが洋服が出来上がったらこちらから金を送ったら仕立賃を払って送って貰おうかどうしようか。
背広の上着は現場へ着てでなくても必要なんだが。
しかし忙しい時大変な手数だから苦心して送らなくてもいいよ。
それは前にも手紙に書いて置いたと思う。
子供も元気な由安心している、申し訳ないことだが伸泰の面影はすっかり忘れてしまって思い出せない。しかし今度あう時は驚くほど大きくなっているだろう。
こちらも柳が一斉に新芽を吹き路傍の芝草も二寸余り延びてきました。
しかし野菜は六月にならなければ食べられません。
*伸泰(弟2歳?) 

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小さなコガネムシ

2008年06月11日 | 季節の便り
シャスタデージーで朝食



一心不乱 息を吹きかけたくらいでは動じない。
大事な植物に元気が無いからと、根元を掘ると白い幼虫が転がり出す。
ある種のコガネムシの幼虫らしい。
でもお前ではないよね。
梅雨の中休み?上山田温泉でのセミナーに出席
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