常念が見える部屋から

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季節の移ろいに写真を添えて発信します。

父からの手紙

2008年06月08日 | 季節の便り
梅雨入りのころ 村の鎮守様


父は若い時からあまり健康に恵まれなかったようだ。
この時の慣れない仕事が、後年になっての父の健康に一層影を落としたように思われる。

「今ではもう本工事に着手して土面を平らにしています。二十一日に可野さんが苦力百一人四平街から連れてきましたが現在の苦力百二十人位を私一人で自由に使いまわしている。
彼等は余り仕事をする気はないが非常に従順である。昨日は腸チブスの予防注射を全苦力に一斉に行ったが、私が注射済証へ私の認印を捺して一々渡してやった。今朝はまた午前六時に経理部から点検に来たが別の文句も言われず健康な者百十六人を二列に並べてそれを一々経理部の役人が見てるき自分がその世話を一切やった。
私は苦力の信望を一身に集めていますからご安心ください。
浜さんも今では一所に居ますが一向振るいませんね。それから鮮人の大山というのが二十七日から来ました。今では世話役は三人です私もいくらか楽になりました」
コメント
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