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桑の実の季節

2008年06月17日 | 季節の便り
桑の実

養蚕が国の命をつないでいた頃、我が集落は桑の畑に埋もれていた。
時は移り、養蚕は姿を消して、桑は珍しい植物になった。
最後まで頑張っていた近所の養蚕農家が蚕と決別して10年ほどになる。
その家に管理を依頼していた、少しばかりの桑畑がか返された時は、正直言って困惑してしまった。
思案の末に、重機を入れて桑株を抜去した。
その時、平成何年ここに桑畑ありと、隅の1本を記念に残した。
残された記念樹は育ち、小鳥たちのために毎年美味しい桑の実を提供してきた。
天候に恵まれて今年の実りは順調である、我々もお相伴にあずかろうと、指を紫色に染めて少しだけ摘んだ。
口に入れると甘酸っぱい昔のままの味が広がって、種を噛む時の感覚が何とも快かった。
当市の四賀地区では桑の実ジャムが隠れた特産品になっているらしい。



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