大人たちは血眼になって松茸を探して松林を徘徊している、子供たちは木の実を求め、昨年のポイントを見当に走った。
高い梢にからまった蔓の先に揺れる、食べごろの紫色に熟したアケビの実を見つけた。
木登りするには高すぎる、枯れ枝を拾って背延してもとても届かない、小石をいくつ投げても掠ることともない。
揺り落とそうにも大木はびくともしない。アケビの甘い果肉の事を思って唾を飲み込んだ。
未練は尽きないが、気を取り直して、「チキショウ」と吐き捨てながら次のポイントに向かう。
灌木の中に紅葉したナツハゼを見つけた、近寄ると黒光りする小さな果物が鈴なりになっている。
甘酸っぱい野生のブルーベリーを、千切れた葉っぱと一緒に口に放り込んだ。
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