朝 アスファルトの路上を傷だらけの蝶の羽が静かに動いていた。
かがみこんで見ると、羽が動く動力源は小さな黒い蟻で、自身よりはるかに大きな蝶の羽をがっちりと咥えていた。
「蟻が蝶の羽を引いてゆく ああヨットのようだ」(三好達治)
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