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里の秋

2012年10月03日 | 季節の便り

静かな静かな里の秋 お背戸に木の実が 落ちる夜は

 童謡「里の秋」は昭和23年に発表された、私の10歳頃である。

3人の姉達が良く歌っていた。

田舎の秋は夜になると、熟れた栗や胡桃の落ちる音がよく聞こえた。

木の実はサワサワと葉の隙間を抜けて、コトンと音をたてた。

時たま物置小屋のトタン屋根に落ちる時は吃驚するような音がした。

暗い小さな裸電球が灯る炉端で栗を焼いた、香ばしい匂いがする熱い栗を、掌で転がして、熱さをこらえて口に運んだ。

栗を焼く時 堅皮を剥かないと、弾けて飛び出す。 猿蟹合戦で悪い猿を懲らしめる栗の役割である

土間では毎晩同じエンマコオロギが、か細く鳴いて、姉が歌う秋の童謡が一層 寂しく聞こえた。

出征したお父さんは無事に帰れたのだろうか そんなことを考えたりした。

 

 

 

 

 

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