シルヴェストリスという歯切れの悪い名を持つこの花は、最初小さな鉢植えから始まった。
そして年々小気味よく増え続け、相性が良いのか今では庭をはみ出して垣根の外側にまで勢力を拡大した。
他の植生を駆逐する力をもっているようだ、先年相当な距離をとって植えたアネモネ ネモローサが増えない原因の一つかもしれない。
ネットによると北欧からシベリアが原産で、初夏白い花が大地の果てまで埋め尽くすという。
その風景は地平線という概念が無い山国では想像することもできないが、果てしない海原と同じように、空に溶け込む地平線が四方に広がる風景は世界のどこかに実在する。
草原にうつ伏せて虫の羽音を聞きながら見回す景色に似ているのかもしれない。