日の出前
塀に囲まれた運動場で運動会が開催され、チーム対抗の各種競技に熱戦が繰り広げられた。
歯を食いしばって競技に挑む選手や、チームの勝敗に一喜一憂する若者の姿があった。
ここには、少年と26歳未満の成人で、累犯や暴力団構成員が400名ほど収容されているという。
もし ここに高い塀がなかったら、選手の腕に彫物がなかったら、普通の運動会と全く同じである。
塀の内と外を隔てる縁は何によるものだろう。
再収容率65%以上という所長の言葉が心に重い。
あるチームの応援プラカードに書かれた「七生報国」の大文字に若者の純真を垣間見た思いがした。