昨年暮れに「日経 おとなのOFF」をはじめて購入してみて
「今後1年間の美術展について概要を知るには良い雑誌だ」
と思ったが、やはり今年も「美術の窓」誌の2月号を買った。
月刊誌「美術の窓」は、団体公募展の評や各地の個展情報などをくわしく載せていることで、定評がある。「美術手帖」や「芸術新潮」「artscape」とは別の角度から、現代の日本の美術状況をつたえる、欠かせないメディアだと思う。
毎年2月号は「必見!今年の展覧会」を特集しており、国内各地の美術展の日程を紹介している。
厚さも発行時期も定価も「日経おとなのOFF」とは異なるので、単純な比較はできないが、単純に情報の分量では「美術の窓」に軍配があがる。「美術の窓」は170もの展覧会を紹介している。
発行時期の遅い方が、情報が充実しているのは、まあそうなるだろうなあと思う。
「日経おとなのOFF」は、道内関係の美術展は一つしか掲載していなかった。
ただし、同誌はカレンダーやクリアファイルも付録についていて、お得感は高さはあるかもしれない。
「日経おとなのOFF」が「北斎とジャポニズム」を大きく取り上げているのに対し、「美術の窓」では扱いが小さく、むしろ雪村展を推している等々、力の入れ方の違いを見比べるのも楽しい。
さて「美術の窓」から、道内の展覧会をピックアップする前に、同誌がほかにも道内の画家にスポットを当てていることを紹介しておこう。
それは、2月号と次号の油絵技法講座を、道内の具象画家を代表する西田陽二さんが担当しておられることだ。
西田さんは、白を基調に、気品のある女性像を描くことで、日展特選となるなど高い評価を得ている洋画家である。
2回にわたってマチエールのつくりかたを懇切丁寧に解説しているので、興味のある方はぜひご覧になっていただきたい。
ちなみに、3月7~14日に札幌三越で、6月15~29日にギャラリーRetara で、それぞれ西田さんの個展が開かれるという情報も載っていた。
話を戻して、同誌の情報もふくめて、ことしの道内で開催される展覧会を挙げておこう。
・大原美術館展 II 4月22日(土)~6月11日(日)、道立近代美術館
・無言館 遺された絵画展 4月28日(金)~6月21日(水)、道立釧路芸術館
・月光ノ絵師 月岡芳年 6月3日~7月23日、札幌芸術の森美術館
・山下清展 7月1日(土)~9月3日(日)、道立帯広美術館
・上村松園、松篁、淳之展 7月7日(金)~8月20日(日)、道立旭川美術館
・ニッポンの写実 そっくりの底力7月6月10日~8月20日 道立函館美術館
・ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 8月26日(土)~10月15日(日)、道立近代美術館
…ということで、月岡芳年は、浮世絵師のなかでもかなりの変化球だよな~という気はしなくもないが、この中では断然、見る機会のなかったものなので、期待したいところ。
このほか「ヴラマンク展」が本州で開かれるとのことで、もしかしたら来年以降、北海道に巡回してくるのではないかと、勝手に予測している。
□「美術の窓」http://www.tomosha.com/mado/
関連記事へのリンク
「美術の窓」2016年2月号
「美術の窓」2月号にみる、北海道の美術展の日程など
「美術の窓」2010年5月号
「美術の窓」4月号の特集「新人大図鑑」
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と思ったが、やはり今年も「美術の窓」誌の2月号を買った。
月刊誌「美術の窓」は、団体公募展の評や各地の個展情報などをくわしく載せていることで、定評がある。「美術手帖」や「芸術新潮」「artscape」とは別の角度から、現代の日本の美術状況をつたえる、欠かせないメディアだと思う。
毎年2月号は「必見!今年の展覧会」を特集しており、国内各地の美術展の日程を紹介している。
厚さも発行時期も定価も「日経おとなのOFF」とは異なるので、単純な比較はできないが、単純に情報の分量では「美術の窓」に軍配があがる。「美術の窓」は170もの展覧会を紹介している。
発行時期の遅い方が、情報が充実しているのは、まあそうなるだろうなあと思う。
「日経おとなのOFF」は、道内関係の美術展は一つしか掲載していなかった。
ただし、同誌はカレンダーやクリアファイルも付録についていて、お得感は高さはあるかもしれない。
「日経おとなのOFF」が「北斎とジャポニズム」を大きく取り上げているのに対し、「美術の窓」では扱いが小さく、むしろ雪村展を推している等々、力の入れ方の違いを見比べるのも楽しい。
さて「美術の窓」から、道内の展覧会をピックアップする前に、同誌がほかにも道内の画家にスポットを当てていることを紹介しておこう。
それは、2月号と次号の油絵技法講座を、道内の具象画家を代表する西田陽二さんが担当しておられることだ。
西田さんは、白を基調に、気品のある女性像を描くことで、日展特選となるなど高い評価を得ている洋画家である。
2回にわたってマチエールのつくりかたを懇切丁寧に解説しているので、興味のある方はぜひご覧になっていただきたい。
ちなみに、3月7~14日に札幌三越で、6月15~29日にギャラリーRetara で、それぞれ西田さんの個展が開かれるという情報も載っていた。
話を戻して、同誌の情報もふくめて、ことしの道内で開催される展覧会を挙げておこう。
・大原美術館展 II 4月22日(土)~6月11日(日)、道立近代美術館
・無言館 遺された絵画展 4月28日(金)~6月21日(水)、道立釧路芸術館
・月光ノ絵師 月岡芳年 6月3日~7月23日、札幌芸術の森美術館
・山下清展 7月1日(土)~9月3日(日)、道立帯広美術館
・上村松園、松篁、淳之展 7月7日(金)~8月20日(日)、道立旭川美術館
・ニッポンの写実 そっくりの底力
・ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 8月26日(土)~10月15日(日)、道立近代美術館
…ということで、月岡芳年は、浮世絵師のなかでもかなりの変化球だよな~という気はしなくもないが、この中では断然、見る機会のなかったものなので、期待したいところ。
このほか「ヴラマンク展」が本州で開かれるとのことで、もしかしたら来年以降、北海道に巡回してくるのではないかと、勝手に予測している。
□「美術の窓」http://www.tomosha.com/mado/
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「月光ノ絵師 月岡芳年」はちょっといいですね。
それから、いまさら感満点ですが、「ヴラマンク」も年代毎に見ると面白いかもしれません。
私は嫌いじゃないのですが、人の事を「アカデミック!」とか言った割には、自分もワンパターン化がはなはだしい人なので、どういう変遷をたどったのか見てみたいです。
ヴラマンクは、来年度あたり巡回してくるかもな~と、私が勝手に言っているだけで、どうなるかわかりません。
埼玉県美の、日本におけるキュビスムとか、こっちに巡回してくればいいのになぁ、という展覧会はいろいろありますね。