




セオノリエさんの初個展。
明け方のススキノで、たくましく生きるカラスたちをとらえた写真です。
巨大なネオンサインの前を飛んでいたり、えさを分け合っていたり、水たまりの水をすすっていたり…。
被写界深度を浅くして(絞りを絞って)、いい感じに酔った人もいっしょにフレームに入っている写真もあります。
激しく雪が降るなか、ごみ収集車が走り、カラスが舞う1枚が印象的です。
会場の中央には、フィルム(といっても銀塩フィルムではもちろんなく、透明な樹脂)にプリントした縦長サイズの作品がつり下がっています。
セオさんは『札幌のカラス』(北海道新聞社)という本を読んでカラスの生態に興味を抱き、足しげくススキノに通うようになったそうです。
酔っぱらいも多いので、あまりごついカメラは使えず、OM SYSTEM(旧オリンパス光学工業)製マイクロフォーサーズの一眼レフカメラに望遠ズームレンズをつけて撮影しているとのことです。
筆者が感心したのは、朝のススキノは、散乱したごみをカラスがつついていたり、けっこう汚いところも多いはずなのに、今回はそういう部分をまったく見せていないこと。
ごみ収集車もモチーフにしているそうなので、そのような写真も撮っているとのことですが、今回は出していないとのことでした。
カラスは非常にありふれた鳥です。
しかし、撮影しようとすると、相当にむつかしい被写体であることも事実です。
カラスにカメラのレンズを向けている人はほかにもいるでしょうが、ここまで徹底して撮り続けると、立派に個展のテーマになるのだなあと、感服したのでした。
会場に貼ってあった略歴を見て、いろんなところで作品を見ていたことに気がつきました。
2024年に茶廊法邑で開いた「北の表現者たち〜JPS展受賞者3人展〜日野昭雄・岩永雅弘・セオノリエ」をはじめ、ほくでんギャラリーでの鉄塔写真展とか、札幌市資料館でのパキスタン2人展とか、毎年の「北の律動」展などなど…。
2015年からは毎年複数個所で発表しているので、もうキャリア的にはじゅうぶんで、満を持しての個展といえそうです。
2025年4月1日(火)~6日(日)午前11時~午後6時(最終日~5時)
写真とアートのギャラリー みどりの日記(札幌市北区北28西4)
セオノリエさん Instagram : @noriee_s
Twitter(X) : @nonn53
過去の関連記事へのリンク
■オープニング記念写真展「祝賀」第4週 (2025年3月、札幌)
・地下鉄南北線「北24条駅」1番出口から約650メートル、徒歩8分
・同「北34条駅」5番出口から約450メートル、徒歩5分。4番出口から約620メートル、徒歩7分
※両駅の改札口からの距離はほぼ同じです
・札幌駅北口から、中央バス「01」「04」(いずれも屯田線「屯田6条12丁目」行き)に乗り、北27条西4丁目で降車、約100メートル、徒歩2分
・札幌ターミナルから、中央バス「14 花川南団地線」「16 花畔団地線」の石狩庁舎前行き、厚田線「道の駅「あいろーど厚田」行き、石狩線「石狩行き」「トーメン団地行き」のいずれかに乗り、「運輸支局前」で降車、約530メートル、徒歩6分
・札幌ターミナルから、中央バス「02 屯田線」の屯田6条12丁目行き、「36 篠路駅前団地線」の篠路10条4丁目行きに乗り「運輸支局前」で降車、約800メートル、徒歩10分