北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

■布・土・木 展 (2018年6月5~10日、札幌)

2018年06月08日 22時34分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 「布」は染織の朝田千佳子さん(札幌)、「土」は陶芸の佐合政昭さん(岐阜県美濃加茂市)、「木」は木工の菊地聖さん(上川管内東神楽町)。ユニークな顔ぶれの3人展です。


 朝田さんは、3~4月に北区あいの里で開かれた3人展でも出品した大きなタペストリーと新作を出品。
 リトアニアリネンを縦糸に、島根県で造られている石州和紙を横糸にして編んだ素材を用いています。

 もともとデザインは、シンプルなのが身上。とりわけ今回は、白地に白の文様をあしらった作品が多いため、画像でははっきりとは見づらいかもしれません。
 実物をごらんになってほしいのですが、ハスの花が描かれていて、天国のような静けさと気高さを漂わせる作品もあります。 

 軽いのにじょうぶな名刺入れ(カードケース)やコースターなども販売しています。




 佐合さんは、これが道内11回目の展示となります。
 これまでコンチネンタルギャラリーや新さっぽろギャラリーで個展を開いたほか、石の蔵ぎゃらりぃはやしで菊地聖さんと2人展を開催したこともあります。

 とにかくカラフルで、ユーモラスなオブジェや、皿や鉢などの器がたくさん。 
 上半身が馬、下半身が人間だったりする生き物もいます。
 皿は正方形で、陶板として飾ってもよさそう。
 1000円のミニオブジェも窓辺にずらりと並んでいます。

 佐合さんは陶芸の本場・岐阜に窯を構えていることもあって、かつては織部や黄瀬戸といったオーソドックスな器を作っていたそうです。
 その後、欧洲旅行などを経て作風が変わっていったとのことでした。


 菊地聖さんは、木の質感を生かしたシャープで、むだのない造形が特徴。
 箸、さじ、まな板などが並んでいます。
 皿は、装飾を排したシンプルなもので、食卓に合いそうです。
 
 テーブルやいすもあり、背もたれのないいすが目を引きました。


 素材も住んでいる場所も異なる、面白い3人展です。


2018年6月5日(火)~10日(日)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
GALLERY ESSE(札幌市北区北9西3)


※朝田さんの関連記事へのリンク。「大トリ展」に略歴あり
朝田千佳子・堀内亜理子・本田麻亜沙3人展「春を招く」 (2018年3~4月)
【告知】大トリ展 (2013)
朝田千佳子 染織の仕事 眼には見えないもの (2009)
朝田千佳子の絹のストールと船山奈月の木のアクセサリー もの語りをまとうように(2008年10月)
そよ風と木もれ陽の中で(2008年6月、朝田さんの2人展)
本質を極める異職の技-4人展(08年2-3月)
朝田千佳子染織展「いつくしむもの II」 (07年5月)
06年の個展
03年の個展
Visual Poetry in Sapporo 02
02年の個展(画像なし)


http://sagoarto.hamazo.tv/


□GOOD DOGWOOD http://good-dogwood.sakura.ne.jp/
【告知】大トリ展 (2013)※菊地さんの略歴あり
【告知】北海道の木工家によるスツール100脚展、札幌・茶廊法邑で9月12日まで(2010)
モノのココロ サッポロクラフトTAG20人展 (2008)
CRAFT ON JAZZ (2007)
※以上、全体的に記述少なめです



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■小樽美術協会50周年記念展 (2018年6月5~10日)

2018年06月08日 12時56分46秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 正直に書きます。
 よくわからないところがあって最後まで気になった展覧会でした。
 おそらく当事者も会場に見に来た人も、そんな反応が出てくることは予想していないでしょうし、また作品の内容が難解だということでもありません(谷口明志さんの半立体作品など、見る人によっては難解かもしれませんが)。

 ひとつは、この協会は、どういう資格がある人が入れるのかがわかりません。
 道内には、全道規模の道展、全道展、新道展のほかに、各地方に団体公募展が存在します。たとえば赤光社や平原社、全オホーツク美術展などです。
 しかしこの小樽美術協会は、賞や会員制度に関する記載がいっさいないので、団体公募展ではないようです。
 また、小樽には「市展」という、「審査する側」と「審査される側」が存在する展覧会が、これとは別に存在します。

 もっと小さなマチであれば、そもそも本腰を入れて絵画や彫刻に取り組んでいる人が限られているでしょうから、顔なじみ同士が「協会」を名乗ったところで、とりたてて不都合はないでしょう。
 しかし、道内屈指の、人口十数万のマチで「知り合いだから入って良し」みたいなことで、会の運営が成り立つのでしょうか。実際のところは、どういう人をどんな仕組みで入れているのでしょうか。

 まあ、そんなことを気にする鑑賞者も、筆者以外にはいないのかもしれません。


 ふたつめは、43人の会員がいる「美術協会」でありながら、ほぼ全点が「絵画」だということ。
 正確にいえば、先述した谷口さんや、ナカムラアリさんの壁掛けインスタレーション=半立体作品があり、また版画もありますが、大半は油彩、水彩、日本画のカテゴリーに入る作品であり、壁面から話して設置してある作品は皆無なのです。
 協会の設立にあたって書かれた文書のなかに
「油絵、水彩画、版画の三種類に絞り」
という文言がありました。
 驚きです。
 日本画や彫刻や工芸は「美術」ではないのでしょうか。

 まあ、水墨画や写真や書や映像やインスタレーションなどが省かれているのは、なんとなくわかる気もしますが、1960年代末の小樽では、美術とは油絵と水彩と版画に限るという摩訶不思議な定義がまかり通っていたのでしょうか。

 実際には、小樽美術協会には現在、日本画のメンバーもいますし、かつては彫刻の会員もいました。

 ただ、小樽には昔から現代的・前衛的な作品を手がける人もおりましたが、そういう人は、一原有徳さん以外は、出品していない人もけっこういるようです。
 今回の会場を見渡しても、半数以上は、風景などを写実的に描いた油彩画です。
 ただ、道展や全道展、新道展の会員クラスはさすがに50~100号の見ごたえある作品を並べている人が多いです。


 おもしろかった作品についてひとこと。

 島常雄さん「幻出」は、古いSLと、舞を踊る女性、かぶとを着けた武将というユニークな組み合わせの作品。これは、小樽に今も保存されている国内最古の蒸気機関車「静」号と「義経」号に引っ掛けたものでしょう。
 よく見ると、右側の機関車は、煙突と尖端部分は描かれているのに、本体は省略され、馬に乗った武士たちがひしめいています。

 松田孝康さん「破壊」は、遠景に二つの険しい岩礁、手前に消波ブロックの連なりが描かれ、そのあいだの荒れ狂う海に3隻の漁船が浮かぶという、港町の画家らしい題材。
 画面のほぼ全体を、照準とも、割れたガラス窓とも解釈できそうな、同心円系の模様が覆っているのが目を引きます。

 末永正子さん「Toki」は、たて構図ながら、風景のような広がりを感じさせる抽象画。人の意識に明滅する時間の流れのようなものを表現しており、さすがのキレを感じさせます。
 ただ、目録や会場の名札に「F50」とあるのは「F80」あるいは「F60」の誤記ではないかと思います。

 誤記ついでに、山下脩馬さんのタイトルが目録では「時計屋さん」となっていますが、これは第48回の出品作であり、今回は「妻の像」(F40)が出品されていました。

 写実的な絵の中では、浅井勝代さんの「窓辺」が印象に残りました。
 窓辺の卓上に置かれた本は、中央公論社が1960~70年代に盛んに出していた「世界の名著」「日本の文学」といったシリーズの一冊だと思います。読む、読まないはべつとして、こういうシリーズがベストセラーになった当時の日本人は、いまよりも知的好奇心が豊かだったと思わざるを得ません。


 このほかには、目録と実際の出品作の異同は、ナカムラさんの作品サイズだけでした。

秋本惇子  思い出の家具店 F20 油彩
浅井勝代  窓辺      F30 油彩
浅井美代子 カサブランカII F100 油彩
岩田幸子  街並み     F30 油彩
上嶋俊夫  Kumo      F30 油彩
上田入子  お帰り一人増えて M50 日本画
大坂照子  水辺でゆらゆら その2 P10 油彩
大谷美由起 2018 Three squares M80 油彩
小川 豊  心のひだ    F100 油彩
小梁川貴子 雪の日     150×75センチ 日本画
加藤光彦  ばらの風景   F50 油彩
工藤 茂  蘭越      P10 油彩
小林達夫  初夏の神威岬  F50 油彩
崎野雄一郎 サロベツ原野(春) F20 油彩
佐藤順一  古い漁船    F100 油彩
三部正雄  定山渓天狗岳 晩秋 F20 油彩
島 常雄  幻出      F130 油彩
末永正子  Toki      F50(?) 油彩
菅原睦子  ハマナスの花  F20 油彩
鈴木明美  ワイン一杯分時間を止めて F100 油彩
高橋 晟  威風堂々    F30 油彩
高橋好子  空       F20 油彩
高橋雅子  早春      F100 油彩
高野理栄子 Ame      23×50センチ
谷岡美代子 座像      40号 水彩
谷口明志  無題      インスタレーション
内藤信雄  婦人像     F30 油彩
ナカムラアリ 発掘 EXCAVATION 2018 70×100(目録では110)×25センチ
野田恭吾  崖模様(冬のかたち) F100 油彩
日向良子  積丹岳・夕照  F30 油彩
深山秀子  すすきの    変形25 水彩
福原幸喜  予感      F30 油彩
堀 忠夫  通勤の朝    F80 油彩
堀 槇子  裸婦(素像)  P30 水彩
松田孝康  破壊      F100 油彩
三浦恭三  ブルーシーン  F60 油彩
宮井保郎  生命の起源 ORIGIN OF LIFE 版画 850×660ミリ
村上勢子  青の静物    F80 油彩
村元道男  松ケ枝町からの風景 F30 油彩
八尾道子  ノスタルジー  F20 油彩
山下脩馬  妻の像     F40 油彩
山田守之  晩秋      F15 油彩


2018年6月5日(火)~10日(日)午前10時~午後5時(最終日~4時半)
市立小樽美術館1階市民ギャラリーと多目的ギャラリー(色内1)




40周年小樽美術協会展 (2008)
第39回小樽美術協会展 (2007)


・JR小樽駅から約710メートル、徒歩9分

・中央バス、ジェイアール北海道バスの都市間高速バス「高速おたる号」「高速ニセコ号」「高速いわない号」の「市役所通」から約700メートル、徒歩9分
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6月7日(木)のつぶやき その3

2018年06月08日 01時48分56秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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2018年06月08日 01時48分55秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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2018年06月08日 01時48分54秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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