秋山知子さんは札幌在住の彫刻家、道展会員。
1963年生まれで、道教大を卒業。年譜によると、個展は、大同ギャラリー(93年、97年、2001年)、札幌市資料館(98年)、喫茶HANA(2000年)、STV北2条ビル・エントランスアート(2004年)と、これまで6度開いており、今回は実に11年ぶりとなります。
(ちなみに、この年譜には、1988~93年に毎年、さいとうギャラリーで「女流彫刻家 . . . 本文を読む
(2015年5月30日は15カ所、その6。承前)
茶廊法邑では、山里稔さんの立体造形展が31日まで開催中。31日まで。
品品法邑では、山里さんが蒐集したクマの木彫りの展覧会が、6月7日まで開かれている。
山里さんは1960年代、立体やインスタレーションを盛んに制作・発表していたが、70~90年代は創作は休んでいた。21世紀に入り創作を再開していた。
木に着彩したものが多く、色は赤、 . . . 本文を読む
(上)の続きの日記だが、正直なところ、どんな日々をおくっていたのか、まったく記憶がない。
はっきりしているのは、最終日になる前に、会社を抜け出して、ギャラリーミヤシタへ行き「武蔵未知 ささきみえこ 安住賢一彫刻展 歩きかたを探す」を見たこと。
昨年から具象に取り組み始めた武蔵さんは、ふたたび雲のような具象に戻ってしまった。壁掛けタイプである。ただしこれは旧作なのかもしれない。
ささきさん . . . 本文を読む
(承前)
札幌彫刻美術館は毎年冬、所蔵する本郷新の作品を紹介する展覧会を開いているが、2012年からは、展覧会スペースの一角で、若手彫刻家のミニ個展を開催している。
単なる所蔵品展なら足を運ばないであろう美術ファンも、この「In My Room」シリーズが始まってからは、せっせと冬の彫刻美術館に行くようになったのではないだろうか。
今回は梶田みなみさん(札幌)。道展や、教育大生の展覧会など . . . 本文を読む
2010年のときにも書いたのだが、さっぽろ雪まつりの小雪像が、誰でも知っているキャラクターなどに偏りがちなのに対し、海外ではもっとアーティスティックな雪像づくりが行われているという話を聞いたことがある。札幌でも大通公園の西11丁目で毎年実施されている国際コンクールは造形的にすぐれた作品が並ぶし、写真でしか見たことはないが名寄の国際雪像彫刻大会(International Snow Sculp . . . 本文を読む
彫刻の展覧会としては、半年に1度あるかないかの非常に興味深いものだった。
タイトルは「くびてん」と読む。
彫刻家は頭部像のことを「首」と呼ぶのだ。
1970年代以降、彫刻という概念は著しく拡散してしまったが、それ以前は、イタリアを本場とする近代彫刻の世界が確実に存在しており、そこでは、全身像やトルソとならんで、首は重要な表現手法であった。だから、今回も、道内のベテラン・中堅彫刻家たちが . . . 本文を読む
ことし多忙を極めた(であろう)経塚真代(けいづか・まさよ)さんの個展が、西屯田通の入り口にある小さな喫茶店「つばらつばら」で開かれています。
筆者は当初、つばらつばらの奥の細い廊下で展示をしているのかと思っていましたが、行ってみたら、違いました。
喫茶店の空間をフルに活用しています。
お店は決して大きな店ではなく、テーブル席がひとつあるほかは、カウンターなのですが、それでも、カ . . . 本文を読む
武蔵未知さんが、ギャラリーミヤシタに続いてことし2度目の個展を開いた。
絵画でも彫刻でも、具象から抽象へ転じる人は時々いるが、その逆は珍しいと思う。
今回は、女性像のトルソなど、FRP製の7点を出品。FRPは繊維強化プラスチックのことで、ブロンズの代わりに彫刻の素材としてよく用いられる。
作品によって、デフォルメの度合いに差がある。
たとえば、左の「ラルゴ」は、古代彫刻のよう . . . 本文を読む
昨夜も書いたけれど「まさに、これぞ彫刻展」と言いたくなるような、充実した個展だと感じた。
この感覚を、文章で言い表すのは難しい。
緊張感と、癒やしの感覚とが、共存している―くらいのことは言えそうだが、かといって、それでこの彫刻展の魅力を表現しつくしたことにはならないだろう。
ただ、饒舌ではないのに、いつまでも、じっと見つめていたくなる、そんな作品群なのだ。
椎名さんは1972 . . . 本文を読む
野村裕之さんは空知管内長沼町在住の彫刻家。主な素材は石である。
これまでも、造形に意を用いながらも、何かしらの意図をこめた作品を制作してきたという印象があるが、今回はいよいよメッセージをストレートに訴えている。
メッセージというと、日本、とりわけ北海道では、プロパガンダではないか、として忌避する傾向が強いように感じる。
しかし筆者は、いつも口癖のように、日本にはハンス・ハーケ(のような . . . 本文を読む
ギャラリーレタラで、道内外の作家が参加して四つの会期に分けて行われる彫刻、立体の展覧会。さらに、隣接する空き地では、野外展「レタラ野外前線」が開かれ、道内の8人が出品する。
概要はこちらに記した。
出品者は、阿地信美智(札幌)、泉修次(同)、野又圭司(三笠)、荒井善則(旭川)の4氏。
いずれも50~60代の中堅、ベテランで、精力的に発表、活動してきた。現在は団体公募展に所属していない . . . 本文を読む
(7日昼、若干の字句を修正しました)
こんのあきひとさん、といえば、筆者がよく見ていた頃は「写真を撮る人」だった。
その後、写真の展示方法などを考えているうちに(といっていいのかどうかわからないけれど)、不織布を用いたインスタレーションなどに転じて、この数年はすっかり「室内装飾をつくる人」になっているようだ。
こんのさんの「作品のあり方」は、一般の美術展とは大きく異なっている。
ホワ . . . 本文を読む
札幌出身で、富山県高岡の短大で金属造形を学んだ後、札幌の共同アトリエ Bee-hive を拠点に創作活動を続けている佐々木仁美さん。
個展は、2011年にギャラリーたぴお(札幌)で開いて以来、2度目となります。
今回は、ギャラリー粋ふようが主催している「粋ふようアート展」で佐々木さんが入選し、その特典として個展を開催しました。
鋳金で制作しており、素材はいずれもブロンズ。
ブロンズ . . . 本文を読む
札幌在住の、鉄の彫刻家、浅井憲一さんの個展が、北広島市の山林の中にある「黒い森美術館」で開かれている。
さっそく、玄関前で、鳥かごのような作品が1点、お出迎え。
室内では、新作は中央の「少女」1点のみ。
浅井さんの近年の作品と同様、鉄の棒を網状にして形を作ったもので、今回はトルソ。
体内に見えるガラスの塊は、レンズ用のガラスだそう。これは透明度と純度の高い高級品だと思う。とん . . . 本文を読む
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うまく言えないのだが、ひさしぶりに彫刻の個展を見た、という思いを抱いた。
道内に彫刻家がいないわけではもちろんない。
ただし、最近の道内では、作品の構造と空間の関係性を前面に出してくる作家が多いように思う。彫刻というより、立体造形、インスタレーショ . . . 本文を読む