ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

イギリスの田舎旅。

2012年04月03日 | 感じたこと
 イギリスの田舎旅と題したが、私がイギリスに旅したわけではないので、とても恐縮ではあるが、八百屋のお客さんでもある知人夫妻が三週間近く留守にされていたので、帰られてから伺うと、何とアメリカ人の旦那さんと二人でイギリスを旅されていたとのことであった。

 私自身はアジアを中心に何度か海外旅行を経験してはいるのだが、ヨーロッパやアメリカといった多くの人が旅する所謂先進国的な近代国家には足が向いたことがなく、唯一の長距離飛行で行った一番遠い国が、あのチェルノブイリ原発事故が起きた四年後のロシア、ベラルーシ、ウクライナの旅であり、それ以外はアジア、特に中国、内蒙古自治区には縁あって二十回ほど毎年の如く行く機会があった。

 そういう経験から、いずれは欧米諸国にも一度は行ってみたいものだと思ってはいるが、なかなか経費も掛かるし機会を得ることが難しいと思っているのだが、知人のご夫妻のイギリスの旅の話は、とても興味深く聞くことができたのである。

 日本人の奥さんはたぶん定年を迎えられたアメリカ人のご主人との思い出の旅行に「イギリス」を選ばれて、しかもロンドン、リバプール、マンチェスターなどの都市部ではなく、イギリスの田舎町を目的に旅されたとのことであった。

 彼女の旅の感想を伺って感じたことなどを列記したいと思うのだが、とにかく日本人と日本社会のテンポの速さや忙しさに慣らされていると、何とものどかでのんびりとした自然と共生するイギリスの田舎町での散策や体験は、とっても心を安らかにさせてくれたそうで、日本は何時の間にこんなにあくせく忙しく移動したり仕事人間になってしまったのかと思い返して見たくになる感じてある。

 イギリスはヨーロッパの文化圏に属する近代国家ではあるが、政治、経済を中心とする「EU」には参加せずに、独自の大英帝国時代からの国の歩みを大切にしていねる国であり、現在の日本の二大政党時代の幕明けと言われる、自民党と民主党の政権交代のきっかけとなった小選挙区制や議会民主主義のお手本的国家でもあるのだが、決して国際的にはGNPやポンドの対外為替評価も高くはない。

 地方都市に足を踏み入れてみると、素朴なイギリス人たちの生活の営みが見受けられるそうで、自然環境豊かな場所に決して大きくはないが、古くからの大切な家が建っていて、代々のその家を守る人たちが徐々に改良は加えてはいるが、派手な模様替えや金持ち丸出しの豪華なビルや建物は、ほとんど見当たらないというのである。

 すなわち、人間の日々の生活や人生の歩み方そのものが、ゆったりとしていて決して贅沢をしたいとかお金の力に物言わせて、これ見よがしの家や車を誇ったり自慢するのではなく、脈々と続くその地方の伝統的な生活パターンを踏襲しつつ、地域社会のコミュニティの調和を大切に重んじて、街づくりがなされているといった感じであったという。

 とても穏やかで心和む自然と調和した、人々の生活環境の中に一歩足を踏み入れてみると、とっても心が落ち着いて懐かしさすら感じるいい感じだったという感想を語られていた。

 私が想像するイギリスの人々の生活は、どうしても都会の情報しかないためもあって、やはり先進国の経済活動の中で忙しく働くイギリス人といった感じしか浮かばなかったのだが、実際にイギリスの田舎町に旅する日本人は増えている様子で、国内の出版社からも「イギリスの田舎町を旅する」という特集の旅の案内本も出版されているらしく、イギリスに限らず、これからの海外旅行の目的やイメージは多様化する中で、日本人もこうしたちょっと違った異国の自然と共生する人々の日常生活を体験したり、感じたり出来る旅行を再発見してみてはどうかと、反面教師ではないが「気づく」ことの大切さを旅がきっかけで教えてくれそうである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする