ガリバー通信

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相撲は国技か?

2007年08月08日 | プロスポーツ
 横綱「朝青龍」の処分と今後の去就が注目されている。

 ご存知の様に、朝青龍は医師の診断書で骨折を理由に夏の東北巡業を休んだ上に、母国モンゴルに帰国して、何と放浪の旅人、元サッカーの日本のスーパースターである、中田英寿の誘いで、母国での友好のサッカー試合に出場していて、元気に走り回り、ヘディングシュートまで放っていることが判明し、俄かに大騒動となったのである。

 以前から21回も幕内優勝をしている実力横綱なのだが、「横綱らしくない」とか「品位に欠ける」とか、いろいろ言われていたわけだが、今回の事件で徹底的に批判を浴びることとなったのである。

 でも私は、彼の診断書の病状、つまり怪我の実態は分らないのだが、仕事である巡業を休んだ上に、元気に走り回る様子を放映されてしまったわけだから、一定の責任と処分はしょうがないとは思う。

 しかし、これほどまでにマスコミを中心として「朝青龍」バッシングがされている現状については、甚だ遺憾である。

 日本相撲協会の関係者とNHK、すなわち日本放送協会などは「大相撲」を未だに「ニッポンの国技」として、その相撲道としてのしきたりと伝統を重んじ、角界の「横綱」の地位は、全ての力士の模範たる存在で無ければならないと思っておられるみたいである。

 さて、プロスポーツの一つとしての「大相撲」は、若貴時代と言われた、花田兄弟横綱の時代を頂点として、人気は下火であり、その理由の一つがモンゴル出身力士の台頭を中心とする、幕内力士の外国人の活躍と実力の違いなのではないだろうか。

 つまり、日本の国技といくら相撲協会やNHKが叫ぼうとも、現実は東西の最高位である「横綱」は、朝青龍と白鵬というモンゴル出身力士であり、幕内力士の約1/3が外国人力士に占領されている現実があるのである。

 そんな中で、日本相撲協会自体の中にも、日本の国技である「大相撲」の番付上位を外国人に奪われているジレンマがあるだろうし、表向きにははっきりと出ていないが、外国人力士に対する「差別意識」が潜在していると言わざるを得ないのである。

 ハワイ出身の高見山に始まった外国人力士の問題は、小錦の横綱昇進が見送られた時に歯切れの悪い論争があり、モンゴル出身力士の台頭で、各部屋外国人力士は二人までとする制約が生まれ、初のモンゴル出身関取である旭鷲山の引退に関しても、いろいろと取り沙汰されているのである。

 どうも、日本のマスコミや相撲ファンに、外国人力士を心からは良しとしない、ちょっとした「偏見」や「不満」があって、今回の事件、事象で、そのことが爆発したと思われてならない。

 私は、「相撲をニッポンの国技」だとは思わないし、プロスポーツのチャンピオンである「横綱」がガッツポーズをしても何ら違和感も感じないが、マスコミ、相撲協会関係者は、それを良しとしない傾向が強くあり、今回の批判や対応振りは異常だと思わざるを得ない。

 所詮、相撲も格闘技であり、やんちゃ坊主の朝青龍を許せないのは、ちょっと可笑しなバッシングではないかと思うのである。
コメント (3)
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