ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

水琴窟

2007年08月04日 | 季節の話題
 関西地方も台風5号の影響も少なく、本格的な真夏の暑さに突入した。

 毎年、有機農産物と無添加食品の移動販売の八百屋「やおやガリバー」は、8月に入れば、農産物や食品も保冷や保存が厳しく、ましてや移動の車が冷蔵車でもないので、ハッポスチロールの箱に保冷剤を入れて運んでいるのだが、お客様に見て買っていただくため、いちいち開閉するし、蓋と箱がづれてなかなか保冷状態がよくない。

 そこで、大抵は8月に入ると、お客様もお盆や子供さんたちとの帰省などでお留守になるケースも多いので、思い切って「お休み」させていただくのだが、今年は選挙のため3月末から一ヶ月も休業したために、モンゴルへ行く2週間だけ休みとした。

 先週は、人気の「ザル豆腐」の最後の週であり、楽しみに購入していただいたのに、月曜日には傷んでいたとの電話をいただいいたりで、暑さが食品を傷める実態が出た。

 そんなことは無い方がいいのだが、たくさんの食品の中には、たまには早く傷んでしまうものがあったりするのである。

 お客様には、お詫びをして新しい同一の現品と取り替えるか、販売代金を返却するのだが、今回の場合、この人気の「ザル豆腐」が今後、宅配便ではこ人手の都合がつかず納品できないとの知らせがあり、最後の納品だったため、止むを得ずの返金となった。

 この「ザル豆腐」とは、埼玉県の富士見市の「島田食品」の製造販売されている「ザル豆腐」であり、ここ4,5年間の私の八百屋の人気食品の一つだったのである。

 ある奥さんは、この「ザル豆腐」を山行きに持参され、山登りの疲れと水分補給を兼ねて、山頂での休憩時に「塩」とともに、生で食されるらしく、山の仲間からも好評だったと言う。

 また、この「ザル豆腐」の食べた後の「ザル」も手ごろな大きさで、子供の玩具になったり、台所での小分けする入れ物になったり、そばやソーメンの盛り付けにも使えて便利だった。

 あるご家庭では、玄関先の園芸用にたくさん「ザル」を用いておられ、喜ばれていた。

 最近、我が孫がお世話になっている幼稚園に、30数個の「ザル」を寄贈し、いろいろと用いられていると聞くと、食べるだけでなく多種多様に活用されていたわけである。

 そんな「ザル豆腐」を惜しみながら、日中の猛暑を感じつつ、お客様のひとりであるお寺さんに伺って、中庭の「水琴窟」の音色を聞いていると、暑さとは別世界の「日本的涼しさ」を感じたのである。

 「水琴窟」とは、日本庭園の庭師が江戸時代に考案したもので、お庭の蹲(つくばい)から漏れ落ちる水滴が地中にある壷に共鳴する「音」を楽しむ仕掛けであり、ほんと涼しげな澄み切った音がして、一瞬暑さを忘れさせてくれるのである。

 日本の伝統のお庭の見た目の涼とともに、音で涼を感じる素晴らしさを再確認した。

 どこかで「打上げ花火」の音も聞こえる「真夏の夜」である。
コメント (1)
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