頂いた藪椿が毎日一輪ずつ開いています。
「先日のお茶事、とても勉強になりました。そして反省しました。」
と初めてお正客をなさった方の感想です。
以前初めてお茶事のお稽古に参加した時に、
本を読んで勉強して臨んだので、お正客さんのなさることに、
「本にはこうかいてありましたが」と思ったり、言ったりしたことが、
とても恥ずかしく、いまさらながら反省したというのです。
自分が正客をしてみて、始めて、
お茶事が本の通りには進むものでないということを痛感したのだそうです。
いい勉強をしましたね。
本に書いてあることは、いわば直球の打ち方。
変化球に対応していく力をつけるのがお稽古であり、実践であるのですね。
本ですべてか学べれば、稽古はいりませんね。
私も若い頃それで失敗をしています。
ちょっと勉強したからといって、
つい「本にこうかいてあったのですが・・」と言ってしまって、
先生に、「本に書いてあったのならそれでいいです。」と言われてしまいました。
それは「容認」の言葉ではなくて、「叱責」の言葉であったのではと気が付いたのは、
後でじっくり考えた時でした。
先生は本に書いていない、もっと大切なことを教えてくださろうとしたのだと思います。
お茶のお点前に関する本を読んでいて、気がつく方もいらっしゃると思いますが、
本は順番は分かっても、肝心の知りたいことは書いてありません・・
それはちゃんと先生から学びなさいということなのだと思います。
お茶は、人によって伝えられるものです。
そこには師匠との信頼関係が成り立っていなければなりません。
そうやって人格ごと受け入れることで、学べるものだと思います。
だから伝える側も常に勉強して、自分を高めていかなくてはならないのですね。
これは私の反省です。