衣替え・・こんな言葉もいまや死語かもしれません。
洋服箪笥にはいつも冬物と夏物が下がっている。
しかし和服だけはそうもいきませんね。
夏冬の区別はしっかりとつけなくてはなりませんから。
それでも最近は正式の場でなければ、
かなり譲歩してもらえるようにもなりましたが。
思えば、昨年の暮れにお茶事に伺った時以来、
和服での外出は一度もありませんでした。
半年近く私の痛めた膝がそれを許しませんでした。
着物の手入れも、片付けもする気にならず、
ずっと出しっぱなしだった冬物のコートをたたみながら、
傷みと戦いながら過ぎて行った時間に思いを馳せています。
今年新調し楽しみにしていたコートも、袖を通すことなく眺めただけ。
秋には着られることを楽しみに箪笥に納めました。
久しぶりに開けた引き出しからほのかなショウノウの香り。
ああ懐かしやです。
今は日々の状態に一喜一憂しながら過ごす毎日ですが、
時間が薬と信じて、回復を待っています。
このような私のささやかな日々があるかと思えば、
とんでもない今朝からのニュースに心を痛めています。
一瞬にして理不尽に奪われた命に、人間の運命とは・・
語る言葉も見つからず、ただ胸が苦しいです。