お稽古に着ていらっしゃる方のご主人が画家さんで、
毎年銀座で個展を開きます。
油彩と水彩で、私のとても好きな画風です。
絵画教室も持たれているので、
近くで開かれたら習いに行きたいと思うほどです。
来週から始まるというので、
今年になってまだ顔を合わせていない友人を誘って見に行こうと思いました。
「個展を見ながらデートしよ~」トメールを送ると、
返信より話が早いと、折り返しの電話が。
「少しおしゃべりしてから行かない。ちょっとここのところ気持ちがきつかったのよ」
私より少し年上の、いつも前向きで頼りになるあねさん( そんなタイプ)の言葉とは思えません。
「実はクロが死んだのよ」
クロとは彼女が可愛がっていた猫の名前です。
野良猫だったのを拾ってあげて家族になったという猫です。
彼女をすごく信頼していて、
海外旅行から数日して帰ってきたらがりがりにやせていたので、
ご主人に「ちゃんと餌をあげてくれたの」と迫ると、
「上げたよ・・でもあまり食べないんだよ」と。
気の毒で、長い旅行ができなくなったと言っていたあのクロが亡くなったのですね。
「平気だと思っていたけど、想像以上にひびいた・・他にもいろいろとあったし、
まあ、会ってから聞いて。話せば楽になるかも」
考えるとこの一年で、
彼女の周りから去ってしまった大切な命が三つになったのです。
長い間世話をしていたお兄さん、
頻繁にお見舞いに行って励ました、気の合った昔の同僚、
そして可愛がっていたペット・・
若い時なら、それを跳ね返すエネルギーも強いけれど、
これからは一つ一つが重く感じられるのはしかたの無いことでしょうか。
気にかけて世話をするものがあるということは、
大変だけれど、生きるエネルギーにもなりますね。
私も母を亡くした時に、自分だけに責任を持てばよい生活が、
しばらくは何とも心もとなかったのを覚えています。
今はお弟子さんとの日々が、お弟子さんへの責任がそれを埋めてくれていますが。
デートはバレンタインデーの翌日ですが、
毎年プレゼントしている、可愛い友チョコを今年もと準備しました。
美術館巡りの好きな人だから優しい絵は心を少し休めてくれるかもしれません。
そしてたくさん話を聞いてあげなくてはね。
裏千家我孫子茶道教室