お茶事もたくさんありますが、
それぞれその茶事に必要な特別の道具があります。
口切の茶事に使う道具と言えば、このセット。
この道具を使って、壷の口を切り、
中からお茶を出して、再び口を封印します。
それだけのことにいろいろと作法があり、
昨日も亭主をする方が、実際に切ったり、貼ったりする稽古を、
熱心になさって帰りました。
小刀を使って切るのも、実際にしておかないと上手に切れません。
なんとかコツがつかめたようです。
封印する紙に糊をつけるのもなかなか大変なのですよ。
「家で糊のつけ方を練習しておきます」
と宿題をお持ち帰りです。
この切ったり貼ったりで、大笑いをしました。
私があらかじめ貼っておいた茶壺の封印をを切り、
中からお客様の希望の濃茶の袋を取り出し、又紙で封印をしてから、
「これを本番で切ればよいのですね」と言ったところで気が付きました。
本番用のお茶の袋を入れないで、封をしてしまったのではと・・・
外にちょこんと出ているお茶の葉の袋を見て、二人で大笑いでした。
もう一回練習できますと、また切って、
今度は抜かりなく壷にすべて納めて封をして。
これで良しと後片付けをして、
「では又前日準備に来ます」と言って、お帰りになりました。
が、しばらくしてメールが。
もしかして、薄茶用の詰め茶を入れなくてはいけないのではと。
そうでした、別にしてあった薄茶用に壷の隙間に詰めるお茶を、
私も、切った貼ったに気を取られていて、綺麗に忘れていていたのです。
これには私一人でも大笑いをしてしまいましたよ。
結局前日準備の時に又もう一度、"切った貼った"です。
こんなことをしながら、
茶事の準備は、着々と( 多分)進んですます。