茶室の真ん中に二畳の茶室をしつらえて、
隅炉の稽古をしました。
皆さんには「今日は国宝の御茶室でのお稽古ですよ」と。
利休作と言われる国宝の茶室「待庵」は、二畳で隅炉の茶室です。
昨年京都の山崎まで出向いて、実際に拝見してきましたが、
そこでお茶を点てることなど夢のまた夢ですから、
丁度、二月は隅炉の体験をするので、
せめて同じ間どりの茶室で稽古をと思ったわけです。
「ここがにじり口で、ここが床ですよ」
と風炉先や結界で区切ってそれらしくしましたが、
後はイマジネーションを豊かにしていただいて。
余裕のある方には、もう一つ、「向切」体験もしていただきました。
上の図の、裏千家を代表する「今日庵」が台目の向切です。
どちらも侘び茶を極限まで追求した茶室ですね。
稽古場は、基本の四畳半や、
それを広間にした八畳でのお稽古がほとんどです。
ても実際に、いろいろな場所で見る茶室は、それぞれに茶匠の工夫が凝らされています。
そんな時に少しで観賞が深まるように、八炉体験は少しでもしておきたいものです。
国宝の茶室には、「待庵」のほかに、「如庵」と「密庵(みったん)」があります。
「如庵」の写しはよくありますし、「台目」の席も多く見られます。
二月はちょっと目を白黒させてしまいましたが、
二畳の茶室は、皆さんなかなか居心地がよさそうでしたよ。
最後に、表千家(不審庵)と武者小路千家(官休庵)を代表する茶室も紹介します。