・点前こそ薄茶にあれと聞くものを
そ相になせし人はあやまり
(利休道歌より)
お茶事で、「御茶」と言えば濃茶のことですが、
最後を締めくくるのは薄茶ですね。
締めくくりが粗末では、すべてが台無しです。
ですからメインが済んで、あとは薄茶だからと言って、
そ相にしてはいけないということですね。
お稽古を始めてまず点て方を学ぶのが薄茶ですが、
この薄茶をいつも美味しく立てることはなかなか難しいです。
お抹茶の量、お湯の量や温度、そして茶筅の振り方。
その一つがちょっと違っても、味は変わってくるものです。
土曜、日曜の二日間をかけて、
今回のお茶会で半東を担当する方達の、勉強会をしました。
会記に書かれた、当日使う道具の一つ一つを実際に手に取ってみたり、、
準備や後片付け、水屋の仕事の内容を確認したりしました。
そして大切な内容の一つは、薄茶の点て方だったのですよ。
水屋からお出しする陰点てのお茶を、
誰が点てても美味しく点てられるようにと、
皆さんで点て合って、お互いに味見をしながら、
お茶の量、お湯の量を確かめました。
大寄せのお茶会では、
何よりも陰点てのお茶が美味しくなくてはならないのです。
お点前の方のお茶を主茶碗でいただける方は正客一人です。
それはそれだけでとても幸せなことですから、
きっと満足してくださいますが、
水屋からの点て出しのお茶をいただくお客様には、
その喜びに負けないくらいの美味しいお茶を点てて差し上げたいですね。
今までの失敗した反省を踏まえて、
今度こそお客様全員に美味しいお茶をと、皆さん一生懸命でした。
いくら味見と言っても、薄茶も続けて三服もいただくと、
ちょっとお腹がいっぱいという感じになりましたが。
熱のこもった勉強会も終わりました。
これで皆さんに大事なことは確認していただきましたから、
あとはじっくりとひとりひとりがそれを熟成して、
当日を迎えてくださるとと思います。