2011年2月号
立て込みんぐ模様でありまする。
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●姫のためなら死ねる (くずしろ 先生)
まんがライフwinで連載中の作品が、ゲストー!
「姫のため」と書いて「キミのため」と読む、清少納言による定子様への“愛”の物語!
正直、個人的にはwinの中でも、1,2を争う「お気に入り」作品でございます。
時は平安、舞台は宮中。
かの高名なる清少納言は、齢13にして皇后たる定子様に
家庭教師としてお仕えしております。
かつては人付き合いを避け、雅に孤独をたしなんでおられた清少納言でしたが、
幼なじみの弁官さんに引き立てられ、定子様付の女房となられたのでございます。
それからの日々は、見目麗しき定子様をうやまい、愛でて愛でて愛でまくる日々。
その想いをしたためたものが、後の世に『枕草子』として知られることになる随筆なのです。
(間違ってはいない・・・はず)
と、お上品に書いてはみたものの、ここに出てくる清少納言は人付き合いが苦手で、
コミュニケーションの取り方がなってないばかりか、宮中の礼儀・作法にも無頓着なお方。
このあたり、『枕草子』に対する批判的評価にも重なるキャラクター付けだったりします。
しかも定子様への敬慕の念が、この作品ではヨコシマ混じりの“愛”となっていて、
いわゆる「百合」的空気を醸し出しまくっていたり(^∇^;
このあたりも、“史実”に沿ってるっちゃ沿ってるのかな・・・と思わせてしまう点は面白い!
まあ、女性に対して天然ジゴロであるというのは、さすがに“史実”じゃない・・・はず。
そして、清少納言にとっての“ライバル”とされる、『源氏物語』の作者・紫式部も登場。
実際には、顔を合わせたこともないだろうとされる2人(異説アリ)ですが、
この作品ではきちんと“ライバル”しています。
おもに、紫式部の一方的な対抗心が目立つばかりの“ライバル”関係ですけど(´▽`;)
しかも式部の方は、清少納言を意識しまくっているため、「片想い」的状況になったり・・・
これも意外に、清少納言と紫式部の関係性を、的確の捉えた描き方なんですよね~。
しかし、104ページ【ですよね】の3コマ目は、winで公開されていたら、
「清少納言と紫式部、ちょーカワイイ」のコメント連打だったことでしょう。
そして、「~まんた」というのは清少納言の口癖だったのか!ということも(^◇^;)
このほかにも、紫式部が仕えているブラック彰子様や、
清少納言の世話焼き苦労人兼ツッコミ役の弁官さん、また定子様に仕える女房衆3人、
さらに定子様の父君・藤原道隆や、彰子様の父君・藤原道長なども登場し、
おもしろ平安宮廷ワールドを築いております。
女房衆の1人、紅式部はツンデレ・キャラクターでかなり面白い人ですし、
他2名もそれぞれ特徴ある人物だったりします。
私は、苦労人の弁官さんがお気に入りなんですけどね!
ちなみに、女性キャラクターはそれぞれ独特のヘア・カラーを持っていて、
そんなところに注目してみるのも楽しいですよ。
などなど、ワタシ的注目作品『姫のためなら死ねる』。
「ライフ」の空気とは少し異なる空間かもしれませんけども、
勢いがあって自由奔放、なかなかに面白い作品です。 今後、期待大!
●お父さんは年下 (北条晶 先生)
最終回!
中川ナオさん(20歳)の母・かをる子さん(37歳)の再婚相手が、
白金絹くん(18歳)だった!・・・というところから始まった本作品。
“父親”が年下なんて許せないと、ナオさんは絹くんにつらく当たってきましたけれども、
少しずつ「家族」のカタチをつくってきていたような、そんなお話でした。
そしてこの最終回では、かをる子さんと絹くんが挙式+ハネムーンへ行くということで、
その準備に追われていますが、そんな空気に「家族」を感じるナオさんを見ていると、
ここに来るまで長かったな~・・・と、感慨深いものがありますね。
そして、ついにナオさんから出てくる一言が「家族」を決定づけ、絹くんを認めていることを
示しているわけで、この物語のシメにふさわしいシーンになっています。
ラスト4コマぶち抜きの1枚絵は、まさに「家族」の誕生であり、未来への出発を象徴。
そんなこんなで終わってしまいましたけど、「MOMO」での終了は今月号でしたかね?
あちらでは、ナオさんと長瀬先輩、そしてクロくんとの関係に決着がつきましたが、
ナオさん主軸の物語のシメということになるのでしょうか。
こちらの連載を中心に読んでいた人間からしますと、あの決着にはちと驚かされましたが、
あれがナオさんにとっては自然な流れだった、ということなんでしょうね~。
それはともかく本作品は、私にとっては好き作品でありました。
私は、かをる子さんが若い絹くんとの関係を思い悩んでいた話のあたりから、
徐々に徐々に引き込まれていきましたもので、かをる子さんがもっと活躍する姿を、
じっくりと見ていたかった気もします。
そんな感じで寂しくはありますが、1月27日に最終巻である3巻発売でもありますし、
そちらを待ちながら終了の余韻でも噛みしめておくことにいたします。
・・・ということで、長い間、楽しませていただきました!
●よいこのしごと (まがりひろあき 先生)
こちらも最終回!
前回、上京してきた両親を迎えた宵子さん。
しかし、親父様がなぜかBC団総統の姿を見て激昂!
私はてっきり、CS団関係者かと考えていたのですが、なんと総統閣下とお知り合いらしい。
ってゆーか、最終回にして大総統がご登場とか、どーなってるのー!?
宵子さん、大総統のお孫さまであらせられましたか~。
ところで、宵子父が大総統およびBC団を嫌う理由なんですけど・・・
嫌いになる要素が見当たらない気がするんですが、気のせい?(^_^;)
何だかんだで宵子さん、父親に対して、自分の仕事に誇りを持っていることを堂々伝えて、
それなりのところにおさまったようですけども、いろいろ気になることがあります。
まず、宵子さんを連れていこうとする親父様をさえぎった怪人軍団。
彼ら、イナゴ男と戦ってませんでしたっけ? イナゴ男、さすがに負けちった?(^^;
それに博士も出てこなかったし、CS団もフェードアウトしてるし、
何より私が気にしているのはマサル君ですよ! 彼、どーなっちゃったの??
お話としては、最後に大きな謎が残りはしたものの、一応きれいに終了しましたが、
その他わき役たちの動向なども描かれてほしかったかなあ・・・とも思います。
個人的にはマサル君、気になりすぎるんですけど(^∇^;
まあ、今後も変わることなく、彼らの日々も過ぎてゆくのでしょうね。
本作品は、設定・キャラクターはもちろんのこと、ネタ的に面白い4コマ漫画であったため、
私にとっては「4コマ誌にあってほしい作品」でありました。
そうした意味で終了は残念ではありますが、まがり先生の次回作もあるようなので、
そちらに期待したいと思います。 そんな感じで、楽しませていただきました!