五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ まんがタイム 感想①

2011年05月10日 | ◆4コマ誌② まんがタイム

2011年6月号

 今月号は、30周年特別号ということで、

 『おとぼけ課長』の特別編やトリビュート4コマなどなど、企画盛りだくさんです!

 

 今回から、感想の書き方を以前の通りに戻してみます。

 書き方模索中なので、また画像使ったりもするかもしれませんが、

 いろいろ考えるところもあるもので(^^;

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

●おとぼけ課長 (植田まさし 先生)

 今回は、スペシャル企画!

 「おとぼけ一家の未来予想図」とのことで、

 おとぼけ父さんと母さんはもちろん、こずえさんもひろしくんも、30年後の姿で登場!

 

 しかも、こずえさんとひろしくんは、それぞれ家庭を持っていて・・・

 という大所帯な展開が、にぎやか楽しい(^∇^;

 しかも、おとぼけ課長はその後、部長となり出世を重ね・・・?

 

 なんてネタも、オチは想像通りだったのですが、ここの4コマ目がかなりよかった。

 オチはオチとして、ここでパパさんとママさんが交わしている会話が素晴らしいんですよ!

 オチで軽くコケっと落としておきながら、そこでの2人はそれぞれ互いをねぎらっています。

 その風景が30年という時間を感じさせつつ、ホッと一息つかせる安心感があり、

 なんとも和めるよさがあって、ステキでした。

 

 30年後最後のネタも【家族】なんて付けられていて、何だか最終回っぽいかも!?(^^;

 あとは、いつもの「おとぼけ課長」でしたけどね、やはり30年の重みというのかな、

 4コマ漫画における1つの時代を担ってきた植田先生の作風における凄味のようなものを、

 今回の企画で感じられたためか、いつも以上に楽しく読めましたね~。

 

 

 そして、トリビュート企画!

 ひらのあゆ先生、むんこ先生、宮原るり先生、佐藤両々先生、

 重野なおき先生、東屋めめ先生、森ゆきなつ先生、安堂友子先生と、

 「まんがタイム」に連載作品を持つ8名の作家先生が描く「おとぼけ課長」が拝めます!

 

 やはり、おとぼけ課長ということで「課長ネタ」が目立ちましたけど、どれも面白かった!

 それぞれ作家先生ご自身の作風に合わせたネタが多かったのですけど、

 その中にあって、ひらのあゆ先生と安堂友子先生は植田先生の作風に近づけて

 見事に仕上げていた感があって、いやはや感服しつつ笑っちまいましたよ!!゜(*゜´∀`゜)゜

 安堂先生なんて画風まで近づけていて・・・ユキジが~!

 

 いや~面白かった!

 このほかにも、「植田まさし先生に直撃“30”の質問」やクイズなどなど、

 いろんな企画があって楽しめました!

 

 

 

●ナイショのおままごと (むんこ 先生)

 3ヵ月連続ゲストの第3回!

 『だって愛してる』番外編ということで、畑中先生と木の葉ちゃん、

 そして“お姉さん”の交流を描いた作品でしたが・・・これで終わりはもったいないよな~。

 

 最後は、「3人で」おでかけ。

 デパートへの行き帰りのバスやお買い物風景が、「祖父と孫・・・とお姉さん」でよい空気感。

 お姉さんのフリーダムさが、読み手を飽きさせない気がします(´▽`;)

 あと木の葉ちゃん、しっかりしてるよな~。

 

 だけどオモチャ売り場で、お姉さんのワガママに気づかぬ畑中先生が、

 木の葉ちゃんを「甘やかしすぎたかな」なんて言っちゃう展開に・・・

 でも帰りのバスで、ふと気づく2コマがよいですね。

 眠っている木の葉ちゃんの肩を抱えながら、「あっ」という感じの表情を見せる畑中先生。

 20年という時を一気に飛び越えて、視えないお姉さんを感じる瞬間。

 

 

 最後は丸く収まって、笑わせていただきましたけれど、

 はじめにも言ったように、これで終わりはもったいない!

 

 3人のキャラクターはもちろん、本作品で描かれる「こちらとあちらの交流」が素晴らしい。

 こちら=現世、あちら=あの世という意味ですね。

 本来であれば、畑中先生とお姉さんは2度とふれ合えない関係なのですが、

 それが木の葉ちゃんを間にはさむことで、コミュニケーションをとることができています。

 

 この点、『だって愛してる』終盤における、街子さんの「帰還」に関わった存在を考えると、

 木の葉ちゃんは「あちらとこちらをつなぐ者」として描かれているように思えます。

 そうして畑中先生とお姉さんをつなぎ、「夫婦」としてのカタチを取り戻させている。

 これは作品的に、「夫婦をつなぐ子供の存在」をも象徴しているのかもしれませんね。

 

 さらに言えば、畑中先生の過去を考えると、この番外編は

 寺田雄二の「ありえたもう1つの未来」を描いているとも言えるわけでして、

 そんな風に読むと、『だって愛してる』という作品が、いっそう感慨深いものに思えてきます。

 

 まあ、そんなこんなで番外編として終わるのは、もったいない作品だと思うのですよ!

 「ナイショのおままごと」というのは、木の葉ちゃんと“お姉さん”の交流を示したものだけど、

 まあ畑中先生にはお見通しという点が、安心感と面白味になっていましたね。

 

 3ヵ月連続で、楽しませていただきました!

 が、今後の展開も期待しております!!

 そして次号は、『らいか・デイズ』がゲスト登場とのことで、そちらも楽しみです!

 

 

②(『みそララ』 『うえぽん!』)へつづきます。