向島百花園から白髭橋へ出て隅田川を渡って、清川抜けて泪橋。
これを南に折れて今戸に花川戸。今戸は今戸焼きなんて泥人形で有名。
靴草履で知られた花川戸は、侠客の幡随院長兵衛がいたところ。
長く東京に住んだが、この辺はまったく来たことが無いのが情けない。
待乳山聖天なんて、始めてきた。 左端に大層なケーブルカーみたいなのがある。
浅草へ向かおうとしているが、この北っ側から攻めるコースはいいね。
のんびりするわ。
てなことで吉原あたりにゃ、目もくれず。
浅草寺裏あたりの甘味で休憩。
歩き疲れた。
まだ親爺さんが客前に立つ。
有名になっても地元の匂いを失わないのは見識である。
ここはやっぱり、池波正太郎も書いた甘味、豆かんと行きたい。
こんな漆黒の赤えんどう、見たことが無い。
処理の仕方に秘密があるんだろう。
まさか秘密を聞き出そうなんて思いませんが、そうして水を向けると、
親爺さん、まんざらでもなさそう。
浅草はホッピー通り。
恐れ入った。昔はこの辺で明るいうちから飲んでるのは、場外馬券場で馬券はずしたヤツとか、
売れない芸人とか、いたんだオッサンとか。それがどうだ。
行く店は決めてんだ、こちとらぁ。
煮込みの鍋を店前に出してグツグツやってたもんだが、今やビニシーの店で拡張。
客が多くて店が手狭になったのか。ご繁盛結構なこって。
競馬中継が流れている。
この落魄した感じ、なかなかいいね。
昔々、ここ「正ちゃん」の煮込みを喰って、大阪の番組に紹介したことがある。
その頃、この辺はほんとアウトローの街で、殺伐とした感じがまたよかった。
塩らっきょう。 甘酢なんだが甘くない。 この素っ気なさがなんかいい。
これは関西には無い。
テレビは競馬中継を流しっぱなし。
正しい浅草の一杯飲み屋の選択だな。