ちょいとばかし春のはかりごとに訪れたイタリアレストラン。
なに、大したはかりごとに非ず、ま、平たく言えば打ち合わせ。
にわかに目標にピントが合って来たので、ほっとして食事になだれ込む。
男ひとり、食前にスプマンテ。
もうこういうことをしても、キザにならない歳恰好になってしまった。
アンティパスト: 春キャベツのロールキャベツ風 モッツァレラチーズ
初めてイタリア料理らしきものを食ったのは、宮崎日南カトリック教会だった。
空港から油津まで日南海岸を宮崎交通のバスは南下。
着いた途端、イタリア人宣教師に歓待を受け、アンティパストを出された。
なに、サラミだのチーズだのオリーブの油漬けだの豪勢なものではない。
だがボクはただのバス酔い小僧だったので、気分優れず、本格的な味も受け付けなかった。
イシダイのカルパッチョ 乾燥トマトのペースト 揚げ皮 軽く塩、オリーブオイル
中学の頃、心斎橋筋 小大丸ビルにあった「ポポロ」なんてピザ屋によく行った。
高校の時、日南教会を再訪すると、神父は不在だったが賄いのおばさんが
ピザだのスパゲッティで歓待してくれて、そのうまさたるや。
イタリア人ってくいしんぼうだと初めて知った。
ポレンタとホウレンソウのズッパ
お腹をちょっと温めて、食事開始の鐘を鳴らす。
北東イタリアなどで使われるトウモロコシの粉がポレンタ。
小麦が採れない地域などではこのポレンタを捏ねて、焼きポレンタなどして食べたらしい。
赤穂カキのパン粉焼き 大粒 エスカルゴソース
たまらず白ワイン 北イタリアのシャルドネなんて、ド~ネ。
ああ、もう快適! このさわやかな爽快感
他のお酒ではなかなかこうはいかない。
ホタテ貝柱に見えたが、ジャガイモをさっと焼いて、ラトビア産小粒のキャビア
で、出ましたよ。これが今回の表題、香川県産、ぶっといホワイトアスパラ!
ブロード(だし)で足湯をさせるようにほんのり温めて、オーブンへ。
大分県産龍の卵の半熟をからめて。 言うことなす。
フランスやドイツでも春先に「アスパラ入荷!」の看板を出すのでイタリアでもそうなんだろう。
日本でいうところの「筍のシーズン」と同じようなものかもしれない。
いや、きっとそうだ! 土を押し上げて頭を出すところなんざ同じ。
みっともなくていいから、パンを浸して食べた。
無農薬野菜の温菜 ダッチオーブン風
カブ、ニンジン、トマト、ネギ、パルミジャーノ
安くないけど、コンベクションオーブンが強い味方になったと上村シェフ。
肉料理に行く前に、赤に切り替えて 今度は南イタリアのアリアニコ
中部イタリア フィレンツェのパスタ
キアーナ牛のラビオリ ポレンタ入れた熱湯でゆでる。
溶かしバターの美味さといったら。
メインは佐賀牛 赤身、バラ、三角バラ バルサミコソース・タスマニアンマスタード
コンベクションオーブンで短時間熱を入れ、外側に被膜を作り、
それから炭火でじっくりと炙る。
手前は端っこだが味の濃いサンカクを煮てある。
あれよあれよという間に、肉は喉を滑り落ちて胃袋へと収まった。
ドルチェ パンアコッタ・チョコレートケーキ・ティラミス・夏ミカン・キウイソルベ・イチゴ
少しずつが目にも楽しいね
そして、エスプレッソ
ダブルほど飲んではみたいが、不細工なことなのでこの一杯で我慢。
砂糖を入れてちょい甘くして。
この日の一番客にしてもらったが、ぼちぼちお客さんも増えてきた。
さぁ、退散しよう。