遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

お知らせ

Twitter で更新情報が観られます。やってる方はこちらからフォローどうぞ。
http://twitter.com/gaiki_jp

不気味感が湧き上がる

2017-11-14 05:22:35 | 


 雫井脩介「火の粉」幻冬舎文庫 2003年刊

無罪判決を下した裁判官の一家と、その判決を受けた被告人本人との関わりを描いたミステリー小説である。

裁判官の義理の娘(息子の嫁)や裁判になっていた事件の被害者の妹夫妻なども途中から出てきて物語は複雑化する。この作者は初めて読むが、心理描写がなかなか巧である。

平穏で和やかな家庭生活の中にふっと忍び寄る違和感、不気味感、そんなものが少しずつ周りに溜まってゆくのがなんとも不気味である。登場人物の性格分類、行動様式などもきちんと書き分けられておりなかなかの力量の作者である。

謎解きはさしたることはないが、登場人物の言動の様子、の書き分けはかなりの力量の保有者だと思われる。世の中でもう少し評価を受けても不思議ではない著者だ。

湖東三山ー金剛輪寺

2017-11-13 03:50:55 | 行ってきました

金剛輪寺出発点ー黒門

早速子地蔵がお出迎え

二天門から本堂を望む

本堂前の紅葉

湖東三山のもう一つの訪問地は金剛輪寺。40年近く前に来たことがあるが、長い坂道と風車を抱えた地蔵さんが道の脇に並ぶ印象深いお寺だった。幹事さんの手配で、坂道の中途までマイクロバスで登り、石段にすぐ取り付いた。体力的にはだいぶん助かる。

信長の焼き討ちを免れた本寺は、観音様が秘仏となっており、両脇を阿弥陀様が守るという変わった構成である。もう一つの秘仏大黒天が今公開中で、右手に袋、左手に剣を構えた怖い顔をした大黒様が目をむいていた。本堂脇には紅葉が色付いており間もなく盛りを迎えるべく鮮やかに色づいていた。

本堂では中に入って説明を聞き、隣の三重の塔を眺めて下山し、白門を経由し水雲閣という茶室、名勝庭園を通って再び黒門へと出た。茶室では幼稚園の生徒が集団でお茶の作法を習っていた。お茶を嗜んでいる友人は「お茶の世界も高齢化が進んでいるので、今は学校茶道に力を入れ、次世代の取り込みに努力をしているのだ」と教えてくれる。

自然の山を利用した池泉回遊式の庭園を大きく周り、雇用の進んだ庭に戻るとすぐ黒門に到着。小一時間の散歩であった。秋の古刹めぐりの風情一杯のひと時である。


三重の塔

ずらりと並ぶ子地蔵

白門

明寿院


明寿院内部

黒門へと帰還

湖東三山ー百済寺

2017-11-12 06:07:48 | 行ってきました

百済寺入口

喜見院の庭園入り口

正面の池

天下の遠望

本堂への道

クラス会の二日目は湖東三山の内、百済寺と金剛輪寺を巡る日程であった。好天に恵まれ朝8時45分定刻に出発。40分弱で百済寺に到着。紅葉はまだ少し間がありそうだが、さすがに1400年の歴史を持つ古刹である。庭園も手入れが行き届いており、本堂への石段の坂道も五木寛之の「百寺巡礼」に表しているようになかなかの風情である。

坂を上り詰めたところにある本堂(金堂)はどこか朝鮮の風情を感ぜさせる作りではあるが、このあたりに多かった百済の人を慰霊するという歴史を聞いたからの色眼鏡かもしれない。鐘楼を一つ従えた小さすぎず大きすぎず好ましい佇まいの立ち姿である。

都会の喧騒を逃れ、癒やしを求めるには恰好の名刹と言えよう。


本堂脇鐘楼

百済寺 本堂

高校のクラス会

2017-11-11 15:59:16 | 雑感

琵琶湖畔 双葉荘

庭先の電線に止まる鳶

ここ十年来欠席をしていた高校のクラス会「旭昭会」に出席をした。高校・大学と一緒だった友人のすすめで、心が動いた。3年前になくなった大木昭一郎先生の薫陶を受けたメンバーが集まる会で、幹事役のN君の面倒見が良いので、折りに触れ開催している。場所は1週間前行った琵琶湖畔である。米原で集合し、旅館に荷物をおいて彦根城に向かう。

1週間前の連休と違い、比較的人は少なく並ばずに天守閣にも入場できた。付属の下屋敷などの庭園や、開国記念館なども一通り見学した。さすが優等生の集まりだけあって、団体行動は自然に統制が取れ定刻通りに旅館に戻った。

宴会も和やかに始まり、地元に住んでいるH君のお世話で快適である。それぞれの部署でリーダーシップを取ってきた人たちの集まりで、それなりにお互いに気を配り、久しぶりに出席した私も疎外されることなく、居心地は良かった。19名出席予定だったが、私を誘ったK君の姿が見えない。自宅に電話をすると本人が出るではないか。「俺の予定表では来週になっているのだが」と勘違いをしていた。それからでは間に合わずやむを得ず欠席となる。

75歳を迎える我々の年代ではやはり女性が元気で、一クラス10人ほどしかいなかった女性が6,7名参加している。しかもこれまた生き方に自信があるのか、魅力的な老い方をしている人ばかりである。男の方はほとんどリタイアーしていて、現役は2名ほど。みんなギラギラ感が消えて良い老人になっていた。

石川啄木の「友が皆、われより偉く見ゆる日よ、花を買い来て妻と親しむ」という歌を思い出した。家族を大切にせねば・・・。

焼き味噌ラーメン

2017-11-08 06:45:49 | グルメ

小さな蔵を改築した店構え


胡麻も入った熱々の一杯

蓼科ではお店が遠いので、滅多に外食をしないのだが、先日は朝飯抜きで外出したので、久しぶりに朝昼兼用のラーメンを食べた。麺屋蔵人という諏訪中央病院近くのお店だが、蔵造りの建物の壁に何やら講釈が書いてある。

少々理屈っぽいが味は確かだ。適度な濃さのスープに、味噌味を効かせ(醤油味もあるが食べたことがない)、ごまを振りかけ、もやし、ネギ、メンマ、チャーシューと至ってオーソドックスだ。ラーメンフリークと言って良い次男も「これなら東京でも通じる」と折り紙をつけた。チェーン店が多いこの地で、繁盛しているのもうなずける。

白人をお客に連れてきた日本のビジネスマンが、何やらメニューの説明を声高にしていた。支店など出さずにこのまま永続してほしいと思う店の一つである。

山里の晩秋(スナップ集)

2017-11-07 06:22:20 | 雑感
久しぶりの好天の中、眩しいくらいの紅葉と青空のもと、晩秋の信州を満喫した。あんまり綺麗だったのでその折のスナップをお裾分けします。



落葉松林越しに見る紅葉・黄葉


落葉松もすっかり色付いている


青空に聳える赤岳、阿弥陀岳

八ヶ岳連峰の山々


東山魁夷の画題になった御射鹿池。


竜神の池に遊ぶ水鳥2羽

紅葉真っ盛りの竜神池

林の上には天狗岳が


紅燃ゆる龍神池公園

国宝 彦根城

2017-11-06 08:50:35 | 行ってきました

井伊直弼の歌碑

築城410年のイベント

秋空を映す内堀

人気キャラのひこにゃんも登場

山切岸の坂

社友会旅行の続き。
3連休で賑わう彦根の街で向かったのは彦根城。築城410年のイベントもあり、人出は多かった。国宝の城は姫路、松本、松江、犬山とここ彦根城の5つのみであるが、確かに風格がある。大きすぎず小さすぎず昔の状態がよく保存されているような気がする。

入場切符を買うのも行列で切符売り場には人気ゆるキャラの「ひこにゃん」も登場して愛嬌を振りまいていた。他愛もないことだが子供や野次馬には人気がある。入場門を潜り緩やかな坂を登る。道がぐるっと周り目の上にかかっている橋を渡る。天秤櫓に入る橋だ。

登城する武士の気分を味わいながら、緩やかに登る石段を踏んで本丸に到着。すごい人と行列だ。天守閣入場には1時間30分並ばねばならない、と聞いて断念。小ぶりな天守を眺めるだけで下り道に向かった。

大河ドラマの影響もあるのか、下りは更に行列が伸びていた。非業の死を遂げた井伊直弼の母城は秋の夕暮れの中に静かに佇んでいたが、3連休の人出の喧騒はすざましく、歴史回顧のゆとりは吹き飛んだ。

天秤櫓

佐和口多聞櫓

天守直下の坂




天守への道

天守閣をバックに

内堀を渡って帰途へ

琵琶湖方面へのOB会

2017-11-04 11:51:05 | 行ってきました

おなじみのバス旅行

彦根城 遠望

エクシブ琵琶湖の中庭

琵琶湖の湖面

昼食の中華レストラン

勤務をしていたクイックスの社員OB会が好天に恵まれた3連休初日に行われた。前回所用で欠席したので今回は出席。15名プラス会社役員で20名強のバス日帰り旅行だ。目的地は滋賀方面。黒壁スクウェアーと彦根城、昼食はエクシブ琵琶湖という比較的ゆったりしたスケジュールだった。

バスの中、和気藹々と行程は進んだが、連休とあって高速道路が渋滞気味。一時間遅れで彦根ICに到着。黒壁スクウェアーをパスしてエクシブに直行。2時間ほど時間を取ってゆっくり食事と酒を楽しみ、14時に出発し彦根城に向かった。年配者が多いのでこの辺の呼吸がとても良かった。

彦根城は開城410年の記念イベントがあったらしく、大勢の人で賑わっていた。おなじみのひこにゃんも駆り出され愛想を振りまいていた。(続く)

息の詰まる幸せ

2017-11-03 02:22:18 | 


桐野夏生「ハピネス」光文社文庫 2012年刊

現代人気作家の「日常の葛藤」を描いた作品。「金曜日の妻たち」というドラマが一時期話題を席巻したが、多分そんな系列にある小説だ。ウオーターフロントに聳えるタワーマンション、そこに居住する3才児を抱える5組(正確には3組)のママ友たち。

この5組にも微妙な階層差があり、それを巡って様々な葛藤が生まれ、回避しようとするあがきが生ずる。45年前、団地族と言われ小さなことを競い合ったり、序列を付けたことが我々の世代にもあったが、舞台がタワーマンションに変わっただけで本質は同じだ。

このママ友たちは小さな幸せを享受してはいるが、それを守ったり、小出しにひけらかすことに幸せを感じている。だがそれぞれにはそれぞれの事情があり、少しずつ破綻してゆく。それを守ってゆこうとする努力に息が詰まる。

当代の人気作家だけあり、そのへんの処理は手慣れたものだが、最後のどんでん返し的な辻褄合わせにはちょっと無理があるような気もする。でもママ友たちの生態を見事に描いている。午後の昼メロを見るような気分で読めるというのだろうか。

庭の秋

2017-11-02 02:37:43 | 雑感


このところ随分涼しくなってきた。むしろ冷え込んできたと言うべきか。立秋も過ぎ、虫の声も大きくなってきて、巷では木枯らし1号なるものまで吹き荒れている。このまえまでの暑さはウソのようである。

久しぶりの好天で縁側に出てみると、梅の葉が黄色く色付いて陽を通している。周りの常緑樹は青々とした葉を繁らせているのに、この梅だけ黄色に色づいている。目の前でこんな変化を突きつけられると、否が応でも秋の到来を認識する。山では先月すでに黄葉や紅葉を見てきたのだが、いよいよ里にも秋は来たようだ。

季節の変化に敏感になってきたのは、加齢現象の現れであろう。