元同業の友人は名古屋モーツアルト協会の会長をしている。現役の時から音楽好きでよくウイーンフィルの弦楽器奏者などを招いてコンサートを企画していた。
その彼から案内をもらってピアノコンサートに行ってきた。電気会館のザ・コンサートホールでの演奏会。たまには音楽もいいな、位の軽い気持ちと折角案内をくれたので多少義理を感じたのである。
演者は鵡川慧悟といい、旭丘高校から東京芸術大に進み、さらに現在はパリ国立高等音楽院に留学中の若者である。実際演奏が始まってみてびっくりした。まずはモーツアルトの「きらきら星」から始まったが、その圧倒的なフォルテシモ、と主旋律の美しい演奏に度肝を抜かれた。
その後もベートーベン、リストと難曲に挑み、まるで格闘技のようにピアノに取り組んでいた。若いだけあってそのエネルギッシュな演奏は迫力があり、何よりも聞いていて楽しい。
とても貴重な拾い物をした気持ちで演奏を聴き終えた。当然アンコールの拍手が鳴り止まず、彼は3曲も聴衆に応えた。このサービス精神も好感が持て、これからの活躍に大いに期待ができるピアニストである。
また演奏があったら是非とも聴きに行きたくなった。
上高地また行きたいですが、それよりも務川慧悟のコンサートの感想を読ませていただき、改めて当夜のコンサートを思い出しております。今は、またパリで、研鑽していることでしょう。