杉浦日向子著「食・道・楽」新潮文庫、2006.7刊 「ごくらくちんみ」同、2004.9刊
あんまり面白いので、つい連続して読んだ。といっても合間には乃南アサ、や佐伯泰英も目に触れてはいるが、やはりこの洒落た文庫本が中心だった。
前者が食に関する総合論だとすれば後者は、酒のつまみに絞り込んだ専門書のようなものである。
食と言うか、むしろ酒にまつわる健康、酒器、作法などについてのエッセイである。なかなか洒落ている。お酒と本当に1体1で正対している。この著者には、わいわい皆で飲んで騒ぐための道具としての酒なんてとんでもないのだろう。
こうして見るとやはり食は文化ですね。
一方の「ちんみ」は酒飲みにとって美味しそうなものが続々と登場する。くさや、たたみいわし、とうふよう、さなぎ、またたび、がん漬け、ふきみそ、ふぐこぬかづけなど、まだまだ続く。本当に美味しそうなものばかりだ。これにはショートストーリーがついているが,雰囲気盛り上げにはもってこいだ。
日本酒だけでなく、ウイスキー、ブランデー、ウォッカなどが登場する。この人は単なる酔っぱらいではなく本当の酒好きだ。酒飲みは一度ページを開いてみてください。