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志賀内泰弘氏
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中京銀行末安頭取
1月10日当社の新年交礼会をした。
本年の講演ははCSをテーマに、志賀内泰弘氏「ギブ&ギブでうまく行く」、中
京銀行頭取末安堅二氏「中京銀行のCSの取り組みについて」の講演が主であっ
た。
その話の中で印象に残ったのは次のようなものだ。
中国の客家(はっか)と言う少数民族は、孫文、リー・クァン・ユー、李登輝、
などを生み出し、多くの人たちが世界中で活躍している部族である。もともとは
彼らは大きなドーナツ型に繋がった長屋に住んでいた。そこでの彼らの格言は
「右隣から受けた親切は、そのままお返しせずに左隣へ返せ」と言ったものだ。
「情けは他人のためならず」の中国版のようなもので、回りまわって自分へ返っ
てくる。昨年一時的に受けたコメディアン、ムーディ何某の、「右から左に受け
流し~」となにやら似ている。
「つまり親切は、見返りを期待せず、打算なしに行え」その行為は誰かが見てい
るし、社会も良くなる。広く支持を得る。
一つの例として、鹿児島の百貨店山形屋を挙げた。そこの地下でお土産の焼酎を
買ったついでに、お昼に○○の鰻屋へ行きたいので行く道を教えてくれ、と聞いた
ら、森れい子さんと言うおばちゃん店員は、台風のような雨の中、わざわざ現地まで
案内してくれた。どうしてこんなに親切なのかときいても「あたりまえのことで
しょ」と取り合わない。徹底的に親切な応対が、この百貨店では社風にまでなっているのだ。
イーオンが鹿児島に進出したが、山形屋はびくともしなかった。一方老舗と言われる鹿児島三越でさえ、閉店となった。
見返りを期待しない、一つ一つの親切が、地域から大きな支持を得ている顕著な例だ。
また銀行も大きな変化を見せている。お客様本位の店構え(お客を立たせて、行
員が座って応対するカウンターの改造、応対の改善)、本部のほうから支店へ出
向く管理体制など、私たちにも思いあたる節のある変化である。
未曾有の不況の中、暗い話だけでなく、このように徹底した、打算の少ないCS
が、逆に競争力をつけている。売らんかな、の底の浅いCSではなく、人本来の親切心が人の心に響く。
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