立冬を過ぎ、小雪も越え、いよいよ大気も冷え込んできた。巷はもうクリスマス気分だ。師走の街の様相である。駅界隈に出てみると、こちらも街中以上にイルミネーションが輝き人が多く行き交っている。
「人生下り坂」を自認している我が身にとって、束の間忘れさせてくれるような、煌めきなのだが背景に人出は欠かせない。LEDの普及によって、イルミネーションは気軽に或いは豪華になってきているが、人間も昆虫と同類で、これらの輝きに引き寄せられるのであろうか。
高度成長期のときのような、人を追い立てるような音楽は流れていないが、街をゆく人々はまっすぐ前を向いて、目的を持って歩いているようにみえる。建物の玄関、街路の並木、植栽などに飾られたイルミネーションが夕方には点灯されて輝きを増す。街が賑やかになればなるほど、なにか心の中はもの寂しい。
年の瀬をいやでも感じさせる頃となってきた。