雲懸かる阿弥陀岳
立秋を過ぎ、72候は「濃霧昇降す」(深い霧が立ち込める頃)。8月の夜空には豊作を占う、赤く輝く旱星(ひでりぼし)と呼ばれる、火星、さそり座のアンタレスがあった。このアンタレスが赤く輝くほど、その年は豊作になると言われた。旱星は夏の季語である。
刈谷の万燈祭りも、この星を仰ぎながら、万灯を振り回して踊っていたのだろう。日照り続きの夏に、そろそろ雨が欲しいと天に祈った気持ちは、自然に対する科学知識が少なかった時代だけに、一層強かったのだと推測できる。
八ヶ岳も雲が懸かったり、雪を被ると一段と高く見える。そろそろ暑さが和らいでも良い頃だ。