ゲバラとヘミングウエイの国、キューバに行こうと、一昨年から考えていたのだが、色々アクシデントもあってのびのびになっている。
ヘミングウエイの代表作小説を読みなおしてみた。
数十年前に読んだものだけに、あらすじ以外は見事に忘れていたが、アメリカ文学の一端に触れ直したようだ。
男の生き方、特に狩猟民族の「戦う男」の面目躍如である。浜での少年とのやり取りも男同士の友情が基盤であるし、獲物の巨大魚都のやり取りとは、まさに戦いそのものである。
相手に敬意を抱きながら闘うところは、ラグビーを思い出させ、戦いが終わればまさに「ノーサイド」の世界だ。3日に亘る死闘の間は、妙に静かさが印象的な描写が続き、帰途鮫に襲われるシーンに主人公サンチャゴが力を振り絞る様子は、砦に襲いかかるインディアンと闘う守備兵を思い出させる。
単調な海の上での漁を描く、さすがの描写力は、ノーベル賞作家らしく、重厚である。男の小説である。
キューバはラテン民族、カリビアンの国というイメージがあっただけに、この小説は少しだけ印象を修正出来た。