遅いことは猫でもやる

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面白そうな国

2012-12-28 08:25:28 | 


「キューバでアミーゴ!」たかのてるこ著 幻冬舎文庫 平成22年7月刊

今年、モロッコ、パリ、バンクーバーを回った時、最後はキューバを訪ねる予定だったが、事情があってロスアンゼルスに変わった。少し心残りだった。
その折旅行の予備知識を仕入れるために買っておいた本を、引っ張りだして読んでみた。

内容は旅行記というより、滞在記に近い。名所旧跡の案内ではなく、現地の人達との交流をレポートしたものだ。
著者はさすがに旅慣れており、旅行先でいきなり相手方に溶け込んでしまう。それにしてもこの国の明るさはどうだ。何かというと音楽が流れ、ダンスが始まる。
生活の中に踊ることが自然に入っている。ラテン系ではあるが、アフリカの血が相当入っているのも、この傾向に拍車をかけているのか。

ここでは、お金のある人がない人におごるのは当たり前。著者は知り合ったばかりの人に、軽い「たかり」にあったような感じがして、違和感を覚えるが、相手の人懐っこさや、明るさに「ま、いいか」と自分に言い聞かせる。
一方全くそんなそぶりもない、芸術家集団とも知り合い、短い期間に親交を深め、深く感動し別れ難さを感じる。そんな人々との交流記だ。

ラテン系の社会主義国は他にどこがあるのだろう。中国や、北朝鮮などの暗さや、ヴェトナムの窮屈感が少ない(勿論制約はいろいろあるのだが)。あのアメリカでさえ人権問題でキューバを非難したという話を聞いたことがない
アメリカに圧迫されており、国は貧しいのだが、市民は明るく情熱的だ。隣国の大国からのプレッシャーに対抗するには、社会主義体制、(当時の)ソ連の力を借りなければならなかったのだろう。ゲバラ、カストロといういわば創業者コンビが、独裁、専横、人民抑圧、私腹を肥やす、というような他の国にありがちなマイナス面を、最小限に止めたのも大きかったのだろう。
ここは日本と違い、教育、医療が保証されているので、明日のことはそんなに心配せずに暮らせる。貧しいけど明るい国で、豊かだけど不安が一杯という国とは奇妙な対比をなす。面白そうな国だ。

よーし、来年はぜひとも訪問してみるぞ。