封切りだということで、「007スカイフォール」を見に行った。
いつもまばらにしか座席が埋まっていない上映ホールも今回は半分以上人が入っている。
このシリーズ50周年記念作品だそうだ。確かに面白い。いつもスパイ/アクション映画として、肩のこらない痛快作品で十分楽しませてくれるのだが、今回は流石に一味違ったようだ。
いつもは世界制覇を企む悪の権化が、使命を帯びたジャームスボンドに邪魔をされる。それをあらゆる手を繰り出し、罠にはめて野望を実現しようとし、そこに腕っ節と金と女が絡む。
お馴染みのカーチェイス、特殊兵器、愛車アストンマーチンなども登場するが、今回は少し深みを増した。
諜報部員の出生が選抜条件に加味されていることや、ボンドの若い時の屋敷が舞台になったり、M16の内部葛藤=官僚主義との戦い(踊る大捜査線に若干似ている)、などが今までにはないことだったし、何よりボンドは攻撃する側から防御する側になっていることが趣を変えている。
それらが、長崎県の軍艦島みたいな廃墟や、イギリス北部の荒涼たる原野に展開する。諜報部員の活躍の場を暗示しているようで、なかなか奥深い。
ボンドのいつもの上司役のM(シリーズおなじみのジュディ・デンチ)がいい味を出している。先日なくなった大滝秀治を彷彿とさせる。今回で終わりかと思うと少し惜しまれる。
西欧特に仏英ドラマにある、洒落た会話とともに、筋立てで十分楽しませて頂いた。
イギリスでは、「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2」を抜いて公開7日間の歴代1位の記録を達成。全米では007シリーズ最大のオープニング記録を更新したという。
むべなるかな。