アンティークのジュエリィーの世界では 知らない人がいないといっても過言でない
橋本貴志さんの 膨大な リングのコレクション…
橋本氏は 2012年に こちらのコレクション720点を
国立西洋美術館に寄贈されたのです!!(凄いことですよね・・・)
今回は そのうち 約300点を一挙公開という アンティーク好きには たまらない 展覧会なのです。
なぜ リングなのか・・・
リングというものは 古代から現代にいたる 歴史と文化を
その小さな円と方寸の金石世界に凝縮している、
唯一 身につける 人類の遺産なのです。
この言葉は 以前 橋本氏が 貴重なコレクションを寄贈する際に 添えられた一文です。
本当に そのとうりです~
あの 小さな 空間に 石の研磨 エマイユの技術 カメオの堀 象牙細工・・・
ありとあらゆる アートが 凝縮しているのです。
今回の 展覧会を拝見して 小さな指輪の持つ 芸術性に感動してしまいました。
もう、買わない!!と思っていた カタログも 迷いながら購入してしまいました。
だって 好きな指輪が たくさん 載っているのですもの・・・
私の 好きな 指輪って 古代エトルリアの粒金細工の 指輪なのですね。
今から 2500~2600年前の 指輪に 本当に心を魅かれてしまいます。
一番好きなのは この指輪です。
この小さな 粒金の技術に ただただ 惚れぼれしてしまいます。
古代エジプトでは 粒金の直径は 1㍉ですが、エトルリアは 0.15㍉を切るものがあるそうです。
この素晴らしい技術は 古代エトルリアの終焉とともに跡形もなく消えてしまいます。
その後 再び 粒金の技術が復活するのが 19世紀イタリアなのです。
古代の遺跡から 発掘される金細工から この技法を再び 復活させたのが、
モザイクブローチのブログで紹介した カステッラーニさんなのです~(鳩のブローチです。)
私が 彫金でつたない 技術で作っている物も このあたりを憧れて 作っているのです。
19世紀の作品も好きなのですが 均等に 正確にできあがっているので、
エトルリアのリングの方が 歪んでいたり 均一でなくって 私は ほっと するのです。
リングにつけられた 傷や歪みをみると、どんな人が はめていたのか 想像できて
ワクワクするのです~
今回の 展示で興味深かったのは 西洋美術館の所蔵する絵画と
指輪に描かれた 紋様で 関連のある作品を 並べて 展示してあることです。
サンピエトロのモザイクと エッチングによるサンピエトロの鳥瞰図みたいにですね。
ヘラクレスのカメヲには ヘラクレスのエッチングが、、、マリア様の絵とリング とかです。
また 神戸のファッション美術館から 何点かの コスチュームが 出展されていて
ドレスとその時代の ジュエリーのコラボも 楽しめました。
先日 私が 完成させた ブローチと 同じ マイクロモザイクも
こんなに 豪華なブレスレットで 展示されていました。
好きな人には たまらない 展覧会でした。
でも この 指輪や ジュエリー達って 保存のために 温度や湿度の管理された部屋で
もう 誰の指にはめられることもなく 静かに また 何世紀も眠り続けるのでしょうね。
指輪って 人の温もりや 思いを 受けて 一番輝くものだと 思うのですが。。。