(管理人より)
奈良県の産廃最終処分場の火災が消えたという報道はありません。有毒な煙で空がゴミ箱になっています。煙は一体どうなったのでしょうか。
奈良県の地形を見てみます。
風向き はずっと東に流れています。
そらまめ君の測定局が、少ないのですが、まず御所市の現場の近くの測定局、御所と桜井の2箇所(PM2.5)を見てみます。
そして 自排橿原 の測定局。
橿原市、桜井市の方向に煙が流れたことがわかりますね。 風は簡単に越境しますので、こうなると御所市だけの問題ではないということだと思います。
そして風向きが変わります。今度は三重方面に向かっています。
三重県まではほぼ山なので、奈良県内には測定局がありません。
一番近くで、三重県の尾鷲市。
煙は山を越えて流れていく場合もあるでしょう。雨や雪が降れば、有害物質も一緒に落ちていきます。 水源地に落ちたら水を汚します。それを飲むのは市民。全部自分に帰ってきます。
風向きをチェックして毒を吸わないように努力するのも大事ですが、こういう状況を生み出した根本原因は何か、ひとりひとりが考えるときに来ていると私は思います。
山ほどの廃プラスチックや、その他のゴミを出したのは誰? 作ったのは誰?
奈良県内の産廃問題について調べている方のブログがありました。こちら より 一部引用させていただきます。
※太文字、色強調は管理人
産廃処分場で多発する火災
悪臭の原因となっているもののなかに、メタンなどの可燃性ガスが含まれています。このガスに火を近づけると青白い炎を出して燃えます。
和歌山県橋本市菖蒲谷の産廃の不法投棄場所で産廃から発生する可燃ガスに点火をする様子を見る機会がありました。表面に穴をあけた1メートルぐらいの鉄パイプを廃棄物層に打ち込み、火をつけると「ゴー」っという音がなって数時間にわたって青白い炎をだして燃えつづけました。こうしたことは決してめずらしいことではありません。全国の産廃処分場で日常的に起きているのです。
廃棄物が分解される過程で、そのなかに有機物などが入っていると処分場そのものが熱をもちます。10月末に室生村多田地区の産廃処分場に監視のために立ち入りました。放射冷却の影響か、少し肌寒い朝でした。隣のすでに投棄を完了し2年ほどたつ産廃処分場から煙りと湯気が立ちのぼっていました。一番激しく煙があがっている箇所の岩の隙間に手をつっこむと熱いと感じるほどでした。ゴムの焦げた臭いが漂っていました。
一昨年、室生村多田地区の南部開発産廃処分場を住民立会いで掘り返す機会がありました。その際に、掘り返された廃棄物はすべて真っ黒でした。また、処分場の底からしみだす「水」も真っ黒で、水と言うより温泉の湯のような状態で、湯気がたちのぼっていました。
処分場の内部は、このように発熱しており、しかも可燃性ガスが発生しているわけですから、何かのきっかけがあれば、火災がおこるのは当然といっても言い過ぎではないぐらいです。
「産廃富士」で有名な西吉野村の産廃処分場では11回も火災を起こしています。三重県上野市のヤマゼン産廃処分場でも、過去3回火災以上火災を起こしています。そのうちの1回は25時間燃えつづけました。同じ上野市の三重中央開発でも、小規模ですが3回以上火災を起こしています。今年の夏には、奈良県内でも、御所市の丸山土木の産廃処分場が火災を起こしています。
安定型の産廃処分場にダイオキシンなどを含む焼却灰が投棄をされる場合があります。これは明らかな不法投棄ですが、直接焼却灰が投棄されなくても、産廃処分場自身が火災を起こすわけですから、その際にダイオキシンが発生する危険性も考えなくてはなりません。