ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造

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再生エネ中断で事業者4800人 怒りの渦 「クズ電力を無理やり使おうとすることほど愚かなことはありません」

2014-10-04 | 事故

再生エネ中断に怒りの渦 九電説明会に事業者4800人

2014年10月01日 12時10分 更新
 
説明会場に入れず、会場前の中継モニターを取り囲む事業者たち=1日午前10時すぎ、福岡市中央区渡辺通

九州電力は1日、再生可能エネルギーの新規契約を中断したことについて、九州の6会場で事業者向け説明会を初めて開いた。再生エネ事業者を中心に計約4800人が参加し、定員を超えた会場も目立った。

 

怒号上がり会場騒然、再生エネ説明会

西日本新聞 10月3日(金)12時0分配信

九州電力は2日、再生エネルギーの新規契約を中断したことについて、鹿児島県内の事業者向けの説明会を鹿児島市鴨池新町の県市町村自治会館で開いた。定員の200人を大きく上回る約550人が詰めかけ、九電は急きょ追加の説明会を同市与次郎2丁目の九電鹿児島支社でも開催した。

 九電によると、鹿児島県内で太陽光・風力発電の新規契約への回答保留は約1万5千件に上る。説明会で九電側は「九州の太陽光発電量は全国の4分の1を占め、他地域より急速に再生エネが加速した。このままでは電力の需給バランスが崩れ、安定供給できなくなる」などと説明。保留した契約が将来どうなるのかについては「なるだけ早く示したい」と述べるにとどめた。参加者からは「時期を示せ」「自己破産したらどうしてくれる」と怒号も上がり、会場は騒然とした。 九電は3日も午後1時半から県自治会館で説明会を開く。

◆「老後どうなる」「無責任」

 「このままでは倒産だ」「対応が無責任すぎる」-。鹿児島県での再生エネ新規契約中断の説明会の参加者からは、不安や憤りの声が相次いだ。

 大崎町の自営業男性(31)は、太陽光発電への設備投資に銀行から1億円を借り入れ、既に土地購入と造成で5千万円を使ったという。「九電の営業担当者の『大丈夫』という言葉を信じて投資したのに…。契約の一律中止は納得できない」と怒りをあらわにした。

 同様に鹿屋市の会社員男性(59)は、来年の定年に備えて千数百坪の土地を約400万円で山中に購入。九電に個人で売電契約を申し込んでいた。有給休暇を取って説明会に参加したが、九電から納得のいく説明はなく、「年金生活の足しにしようと思っていたのだが…。私の老後はどうなるのか」と漏らした。

 鹿児島市の不動産会社に勤める男性(33)は、福島第1原発事故後、太陽光発電設備向けの土地の販売業務に当たってきた。「これまで業績は順調だったが、土地が売れなくなると、2、3億円の損害は免れない」とため息をついた。

 霧島市の電気工事会社の社員の男性(48)は、回答保留になった顧客の申し込みを数十件抱えている。「顧客に説明するため来たが、こんな内容では何の説明もできない。説明会の会場も狭すぎるし、九電は真摯(しんし)に対応する気があるのか」と不信感を募らせた。

 説明会の質疑応答では、「個別事情は把握していない」などと繰り返す九電の担当者に対し、参加者から「川内原発が再稼働すればますます電気が余るので、大変ですね」と皮肉の声も上がった。

西日本新聞社

  

「太陽光リスク」の自覚と開示、十分だったか

西日本新聞 2014年10月03日 03時00分 

「聞いていない」「書いてある」―。

 九州電力など電力各社が再生可能エネルギー発電設備の新規契約を当面中断したことで、設備を導入しようとしていた事業者や市民がかなり怒っている。電力会社側はやむを得ない措置だと理解を求めている。互いに気持ちは理解できる。だが、一連の状況を見聞きしていると、金融商品の投資にまつわる、冒頭の会話を思い起こさせる。「リスク」を軽視していたのではないか、ということだ。

 まず、設備を導入しようとしていた「投資家」(本稿では広義としてこう記載させていただく)の方々は、電力会社が、太陽光電源を無制限には接続できないリスクがあること、最近そのリスクが高まっていたことを、どこまで自覚し、リスク情報を取ろうとしていたのだろうか。

 天候に左右されるため、発電は安定しない。電力が増えすぎて送電ネットワークに流れ込むと、電力会社はその波を吸収できなくなる。だから、各地域で一定の上限を設定しているし、高値で電力を売ることを可能にした法律にも、電力会社は接続を拒否できるとする項目を明記している。

 さらに、接続を申し込む際の「受付要領」でも、こうした点に触れ、「接続契約申し込み前に先行して工事着工や物品発注などを行う場合は、上記リスクがあることを十分踏まえてください」とまで書いてある。

 ずいぶん前から太陽光電源が急増していることや、接続できなくなっている地域が出てきているニュースも出ていた。ある銀行関係者は「よく分からないまま、確実に回収できると思って投資するのはいかがなのものか。これも自己責任だ」と言うが、基本的には私も同感だ。

 ある投資家は「いつかこういう事態になると思っていたが、今とは思っていなかった」と戸惑うが、これこそ投資失敗の典型的な反応だ。「確実にもうかる」などとリスクゼロをPRし、個人を含めた投資家をあおった企業があるとしたら、怒る前に反省してほしいとさえ思う。

 だが、「投資家」にすべての責任を負わせるのもどうかと思う。なぜなら、現状では、「リスク」の大きさを客観的に判断する情報量が足りないからだ。

 (管理人より)

九州を旅すると、車からでも電車からでも、たくさんのメガソーラーが目に飛び込んできます。近年の増え方はすさまじく、いつか今回のニュースのようなことになるのではないかと思っていました。

私が中国電力に逆潮流について話を聞きに行った時に、現場の方が「お断りしているメガソーラーもある」「売りたい側がきちんと説明をしていないために、後から苦情になる」ということを言われていました。

 事業用太陽光発電系統連系受付要領 平成26年 4月 1日 第3回改正  九州電力株式会社 より

 事業者の人はクズ電力ってことを知らなかったのでしょうか?エネルギーミックスという洗脳・・・EPRが悪くても何種類も電源を確保したいというのは強欲ではないかとすら思います。

自然エネルギーは人間の欲望が生み出した工業製品だとつくづく感じました。

 

 

近藤さんのブログを全文転載します。

 


 (2014/09/22)自然エネルギー発電の「外部」不経済

まったく、自然エネルギー発電のクズ電力を無理やり使おうとすることほど愚かなことはありません。

 まず第一に、自然エネルギー発電装置それだけでも既存の火力電力に比較して途方もなく高価な設備費用がかかることはご承知の通りです。
 それだけではありません。その高価なクズ電力は予測不能で制御不能です。このクズ電力を既存の高度に制御されている送電ネットワークに接続するためには、調整・バックアップ用の発電装置、蓄電装置、そして付加的な送電線網の敷設が必要なことは既に何度も指摘してきました。

 まず、大分合同新聞の記事を紹介します。

 

 では、九電の発電の実績を見ておくことにします。まず販売電力量と最大電力です。

 

 

 2012年度の販売電力量850億kWh程度でしょうか。過去最大は2007年度で881億kWhです。2012年度の最大電力は1,500万kW程度でしょうか。過去最大は2008年度で1,771万kWです。

 次に電源別の発電設備構成です。

 

 

 地熱発電・新エネルギーに注目すると、2012年度で2,313万kWの内の1.3%、300,690kWです。そのうち、九州電力の地熱発電容量は212,000kWですから、新エネルギー発電設備は88,690kW、全体の0.38%ということになります(他の統計と少し数値の整合性が取れませんが、とりあえずこのままにします。九電の方、教えてください。)。

 次に発電電力量の実績です。

  2012年度の発電実績で見ると、地熱・新エネルギーは全体の4%ですから、

約850億kWh×4%=34億kWh

 地熱発電の設備利用率を80%とした場合の発電量は、

212,000kW×24h/日×365日×80%=14.9億kWh

 したがって、新エネルギーの発電電力量は、

(34-14.9)億kWh÷850億kWh=2.2%

 どうでしょうか、僅か電力供給量の2%程度を賄うにすぎない新エネルギー電力を導入するために、電力料金に賦課金が上乗せされ、クズ電力発電事業者の負担すべき費用が消費者に転嫁されているのです。しかも、太陽光発電を現状の倍ほどに増やすだけで、クズ電力のための既存の発電システムによる調整・バックアップ能力は限界になり、その後は更に莫大な資金投入が必要になり、その負担は一般消費者に割り当てられるのです。
 現状では太陽光発電事業者は、クズ電力の予測不能・制御不能という本質的な問題に対する経済コストを「外部」不経済として一切負担せず、電力会社に押し付けています。ふざけた話です。

 問題1:現状では不安定なクズ電力を利用するためのハードウェアによる対応を全て九電が負っていますが、これは不合理です。不安定なクズ電力の発電事業者の責任で電力を安定化させた上で送電線網に接続すべきです。その経済的な負担を全てクズ電力の発電原価に含めるべきです。特に電力の小売を自由化するならば、この原則を貫徹しなければなりません。

問題2:今回の九電の対応は発電事業者との契約だけであり、個人住宅については対象外としていますが、これは不合理です。個人住宅の不安定電力とて不安定なクズ電力であることは変わりません。自前で蓄電装置を準備してクズ電力を全て自己消費するか、逆潮流で送電線に余剰電力を流す事を禁止すべきだと考えます。