mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

雪の奥日光(2)刈込湖

2016-02-26 18:34:41 | 日記
 
 23日に宿泊したのは、湯元休暇村。昨年はおおるり山荘に泊まった。おおるり山荘は1泊2食6000円と格安。古びてはいるが、むかし皇太子(今上天皇)が疎開していたという宿を買い取って営業している。建物は古びているが湯は悪くない、と私は思っていた。ところが今年は、「もう少し食事のいいところにしませんか。高くてもいいから」と注文が入った。参加の意思を表明している方々にも意見を聞かなくちゃとメールを打ったら、
「誰ですか、そんなぜいたくを言っているのは。大賛成です。」
 と返信があり、老舗旅館の12000円に決めた。ところが休暇村から送られてきたパンフレットに、10500円とある。そちらに変更する。人数と男女差があって、3人部屋も生じたのだが、すると、そこは9000円でよいとのこと。早速、2000円追加の湯葉会席にグレードアップした。「部屋の去年とは違うね」とご機嫌。ひとつ失敗した。風呂上がりの5時ころから夕食までの1時間半ばかりを、ビールやワインを飲みながら歓談して過ごしたのだが、ついついおつまみに手を出してしまった。夕食はずいぶん多種多様で、食べきれないほどであった。
 
 24日、朝の食事もゆっくりと済ませ、湯元駐車場へ車を移す。そこからスノーシューを手にもって温泉寺から泉源へ向かい、登り口の雪の上でスノーシューを装着する。皆さん要領を覚えて、手際が良い。ゆっくりと歩き始める。確かに雪は少ない。昨年は、この登山口の少し先でたっぷりの雪がつもっていた。そこで小さな子どもたちが、急斜面を這い上り、シリセードで滑り降りていたこともあった。今年は笹が顔を出して、上るどころではない。金精道路に15分で上った。小峠への夏道には、「通行御遠慮ください。国土交通省」の札を紐で掛けてある。ルトはしかし、踏み固められていて、歩きやすそうだ。この分なら、小峠までのトラバース道が雪崩れたり滑落したりする心配はなさそうだ。一人ゴム長靴の若い人が「ここは通れるんでしょう?」と聞く。彼は刈込湖を往復するつもりのようだ。アイゼンはない。彼が先行する。私たちはスノーシューを踏んで転ばないように気をつけながらすすむ。Mrさんは慎重すぎて、足の運びがゆっくりだから、よけいバランス感覚が要求される。ますます慎重になるという悪循環だとみえる。それでも慣れてきたのか、半ばまで来ると、他の人たちと速さが変わらなくなってきた。小峠の手前の夏道にも、向こうへ向けて、「通行御遠慮ください」の札を下げている。帰りはここから蓼の湖に下る。Kwさんが先行する。女性ながら急な斜面をずんずんと登る。すぐに小峠に着いた。泉源を出てから55分。夏とほとんど変わらない。
 
 ここからMsさんに先導してもらう。夏道との分岐から土瓶沢への冬道は、まだ誰も入っていないらしく、踏み跡がない。吹きだまってたっぷりある雪に、笹はすっかり覆い隠されている。沢の広い平坦な土瓶沢は、どこを歩いても新雪のように心地が良い。いつのまにか横に広く広がって刈込湖方面へ向かっている。MrさんもMsさんを後にして、さかさかと先へ歩を進めている。スノーシューの後ろが跳ね上がるように動いているから、ご機嫌であることがわかる。土瓶沢はその先が狭い渓になり、斜面も急に下る。Kwmさんが快調に先頭をすすむ。10時に刈込湖に着いた。
 
 刈込湖の水位がずいぶん低い。こんなに水が少なかったのだろうか。雪はたっぷりとつもり、湖面は凍り付いて雪をかぶっている。湖面に降りてみる。固い。これなら上を歩いても崩れる心配はない。Khさんがずいぶん沖合の方へ歩いていく。皆さん湖面に降り立って、写真を撮ったりしている。Mrさんは雪の上にバタンと倒れて、写真を撮ってくれとはしゃいでいる「ティーパーティにしましょう」と声をかけて、昨日のビールのおつまみを出す。ほんの少しずつ口に入れて、お茶を飲んだりする。空は青い。山王帽子山と太郎山が両側から低くなっている稜線の合間に、すっきりとした姿を見せている。
 
 帰路に就く。Msさんを先頭に、来た道を戻る。小峠までがほんの20分ほど。どうしてこんなに早いのかとKhさんが驚く。小峠からKmさんとKwrさんが下りを先導する。森の中に入る。下から一人、スノーシューで歩いてくる人がいる。凹凸の大きい森の中は、どこを歩いてもいいように見える。ばらばらに散らばりはじめ、後ろの方の人は最短距離をとるようになるから、歩行順序が、また、入れ代わる。面白い。
 
 蓼の湖は半分が凍らずに、青々とした水を湛えている。残り半分が薄い雪をかぶり、凍っている。果たして渡れるか、Khさんが慎重に歩を進めて、OKを出す。間を5メートルくらい空けて、一人ずつ氷上に踏み出す。湖を囲む小山を回り込んで越え、金精道路の真下に出る。急な斜面をたどって金精道路へ上がるが、ペースが落ちない。
 
 泉源に帰り着いたのは11時31分。なんと3時間で往復したことになる。泉源で4人の若者がスノーシューを履いてこれから出かけようとしている。刈込湖まで行ってきたい、と。私たちのルートを紹介して、往復の時間を告げる。でもこれから往復すると、3時ころ帰着になる。暗くなるし、寒くなると思う。でも、若いから大丈夫か。
 
 こうして、車に分乗し、中禅寺湖畔の「とんかつ定食」を食べに行く。ここのソースカツ丼は「カツ」が5枚も入っており、食べるときに用意された取り皿にカツを分け置いて取りかからねばならない。食べきれない人のために、油紙の持ち帰り用袋が用意されている。半分ほど持ち帰る人がいた。
 
 バスの停留所もすぐそばにあったので、ここで解散。私とKhさんはスノーシューを返却し、高速で帰路に就いたのだが、どういうわけか、私は途中で眠くなって運転がおぼつかなくなる。PAに入って座席を倒して少し眠る。20分ほど寝たらしい。気分もすっきりとして順調に帰宅した。
 
 土曜日にも奥日光のスノーシューのガイドが入っている。今回のハイキングが下見のようになった。コースを決定しメールで送信する。その名簿と地図をつくる。外国人が4人入っているので、地図やスノーシューの扱い方や歩行中の留意点に、英文を添える。さてやれやれと思ったのだが、その次の日、つまり昨日、異変が発生した。それはまたの機会に。

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