mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

この世をリタイアしたような……なんでもないことの良さ

2016-09-26 22:33:37 | 日記
 
 今日は面白い時間をもった。ご近所の友人に誘われて、足を運んだ。きょう発足の麻雀の同好会。私は、学生のころから卓を囲むことはしたが、いつも頭数の数合わせであった。そもそも勝負事自体が「すき」というほどではない。勝ち負けに入れ込む自分を見ている自分がどこかにあって、醒めてしまうとも言える。だから麻雀も、牌のそろえ方は知っているが、点数を数えたことがない。どれがどちらより高得点という比較的な順位はわかるから、「手を変えて」点数を引き上げるようなことはできる。もっとも、麻雀を止めてからもう30年ほど経つから、どちらへまわるんだっけと、戸惑うくらい初心者に戻っている。
 
 場所は、公民館。「会議室」と銘打った20畳ほどの広さ。長机が置いてある。その机を4脚それぞれ狭い方を90度に寄せて、真ん中に雀卓代わりのマットを置き、寄せた机の狭い隅々に4人の雀士が座って、牌をいじる。わかるかな? 十の字の形に並んだ交差点のところにマットを置いて、交差点に一番近いところに雀士は身を置いて、マットを囲むというわけ。
 
 部屋には空調がしつらえられており、設定温度は当初「22℃」であった。これは冷やし過ぎと、「24℃」に上げ、牌が転がりはじめる。ふだん付き合いのある5人が来ている。あらかじめそれがわかっていたから、私は本を持参。ほかの4人が卓を囲んでいる間、私はかたわらで本を読む。半荘(はんちゃん)済んだら、一人が交代するという。
 
 空調が入っているだけに、我が家より居心地がよい。かたわらの4人も、ずいぶん静かだ。ひょっとしたら私が、本に集中していてざわめきが耳に入らなかった、ということもあったかもしれない。だが、日ごろから私は、周りの喧騒がそれほど気にならない。加えて皆、静かである。もちろんおしゃべりはしているのだが、声高ではない。言葉を交わすのも、つぶやくように、口からこぼれ落ちるような調子だ。窓から陽ざしが入って明るい。
 
 古稀を過ぎた人たちばかりだから、仕事の気遣いはない。月曜日の午後に雀卓を囲む。もうそれだけで、自分を解放している快感に浸ることができている。その人たちのさんざめきを聴きながら、こちらはのんびりと本を広げる。ふと気づくと、眠っていたようだ。隣の部屋からは「南京玉すだれ」の歌声が聞こえる。あちらさんも、たぶん、お年寄りなのだろう。
 
 なんだか、こうしたなんでもないのが、いいなあと感じられた。