北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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弾薬庫跡

2022-04-17 15:55:03 | 札幌

 

地下鉄東西線の「新さっぽろ」駅。

南北線の「さっぽろ」駅もそうだけど、平仮名表記にしているのは、JRの駅(「札幌」と「新札幌」)が漢字表記なので、混同を避ける意味があるそうです。

 

 

行く度に思うんだけど、ここの駅は、数ある「島式ホーム」の駅の中でも、特にホームの幅が広いです。

混雑緩和の狙いなのか、それとも他に何かがあるのか、それも興味深いところですね。

 

 

そんな地下鉄駅に直結している「札幌青少年科学館」と「サンピアザ水族館」。

どちらも、子供から大人まで大人気の施設ですが、今日はその中ではなく、外側に関することを記事にしてみます。

 

 

 

この二枚の写真、近くの歩道から撮っているのだけど、歩道から見て低い位置に出入口があるのが分かります。

建物の構造としては、北海道銀行は2階となっており、その下が1階。

つまり、道路よりも低くなっているということで、窪地であることが窺えます。

 

 

この位置から見ると1階が道路よりも低いですが、1階ということは、正面入口がある反対側の方は道路に面しているというわけで、高低差が生じていることになります。

実際にどのくらいの高低差があるのかは分かりませんが、テレビ番組にもよく出演されている札幌の町の研究をされている方のブログによると、実に373cmもの高低差があるそうです。

 

 

かつてこの辺りには、起伏のある地形を利用した軍事施設があったそうです。

太平洋戦争真っ只中の昭和18年(1943年)、現在の新札幌エリアに、北方への前線の補給拠点として弾薬庫が設置されることになり、河岸段丘であった斜面を掘り込み、崖に囲まれた窪地を9つ造って、そこに弾薬庫が建てられました。

そのような構造のため、アメリカ軍の偵察機にも発見されにくく、攻撃目標となることも避けられるという利点があり、戦後、自衛隊が引き継いで、しばらくは同じ場所にあり続けたそうですが、昭和40年代になって副都心開発が持ち上がると、安全性を問題視する声の高まりによって、弾薬庫は現在の日高町に移され、跡地で開発が進められることとなりました。

写真のこの場所にもそんな窪地の一つがあったとされており(実際は、跡地である説と、そうではないという説が混在しているそうですが)、現在でも建物がこのような構造のまま残されている格好になっています。

 

 

この地図の位置と、北側のJR駅との高低差が373㎝とは・・・。

 

 

 

 

 

 

新札幌エリアでは、JR千歳線より北側のエリアでも大規模な開発が進んでおり、写真の場所では、このようなプロジェクトが進んでいます。

戦時中弾薬庫が設置されていたという意外な歴史に思いを馳せてみると、また見方も変わってくるような気がします。


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