元旦に能登半島で起きた震度7の地震の震源地は半島東側の尖端部とされている=図の✖印、1月1日付・NHK地震速報=。地名で言えば、海沿いの珠洲市大谷町から折戸町にかけての一帯になる。今月22日に現地を訪ねた。車で珠洲市役所から県道52号折戸飯田線を走り、折戸に向う。日中の気温は2度、山沿いの道路は一部凍結していた。途中、がけ崩れ地帯があった。山の巨大な岩石が道路近くまで落下している=写真・上=。車一台が通れる鉄板を並べた仮設道路が敷かれてあった。
能登半島の北側は海と山が接するリアス式海岸で、海沿いの国道249号や県道はがけ崩れで道路があちらこちらで寸断した状態が続いている。このため海辺の集落は孤立化した。そこで、県道52号のような内陸部の幹線道路を最優先で復旧させ、孤立化を解消させている。車一台が通れる鉄板は集落の人たちにとっては「命の道路」なのだ。
県道52号から今度は海沿いの県道28号大谷狼煙飯田線を西に走る。外浦(そとうら)と呼ばれる海岸線の中でも風光明媚とされるのが木ノ浦海岸。海水の透明度が高く、魚の生育に適した岩場などで海の動植物の種類が豊富なことから、「国定公園特別地域」に指定されている。
道路から眺めると、左側でがけ崩れが起きているのが見える。そして、海底が隆起して右側の岩の島が陸とつながっている=写真・下=。風景とするとさほどこれまでとは変わりないように見えるが、海の生物多様性を育んできた岩場だけに今後どのような変化が現れるのか。
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