先ほどテレビを見ていると、緊急地震速報のアラームが鳴った。午後0時36分、能登半島の珠洲市を震源とするマグニチュード4.7、震度4が同市と能登町で観測された。輪島市と七尾市で震度3、金沢では震度1の揺れだった。元旦の震度7から40日経っている。前回のブログでも述べたが、日本海沿岸で発生した日本海中部地震(1983年5月26日)や北海道南西沖地震(1993年7月12日)では地震発生のおよそ1ヵ月後に規模の大きな地震が発生している。今回の震度4はさらなる大きな揺れの前兆なのか気が気でない。
前回ブログの続き。この時季、半島の西端の志賀町では岩ノリが採れるものの、震度7の地震で津波が海岸に押し寄せたことから、沿岸部の人たちは「津波は3分でやってくる」と警戒して海岸に近寄ろうとしない。では実際どのくらいの津波だったのか。東京大学地震研究所のWebサイト「【研究速報】令和6年能登半島地震」(2月1日付)によると、地津波痕跡について調べた結果、志賀町富来漁港から同安部屋漁港までの区間で、漁港内外の倉庫内壁など残された痕跡が7ヵ所で確認され、場所によって津波の高さは異なるものの2.0㍍から2.6㍍だったことが分かった。
大陸に面した半島北側の外浦(そとうら)は冬場の荒波で知られるが、漁港の倉庫に当たるほどの波ではない。そもそも、この地域では津波が起こらないと言われていた。なので、沿岸部の人たちは「津波は3分でやってくる」と恐れ始めた。以下憶測だ。北陸電力の志賀原発=写真=は志賀町赤住の海岸べりに位置している。地域の人たちの中には、「津波への備えは大丈夫か」と危惧する向きも出始めているのではないだろうか。
なにしろ、2011年3月11日の東日本大震災では東京電力の福島第一原発が14㍍から15㍍の津波に襲われ、原子炉では浸水によって冷却装置が停止し、核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きた。現在、廃炉作業中ではあるものの巨大地震が発生した場合を想定し、海抜16㍍の高さの防潮堤を造っている。
志賀原発は1号機と2号機とも2011年から運転を停止し、再稼働に向けて準備を進めている。北陸電力公式サイト(1月9日付)によると、今回の地震では1㍍から3㍍の津波が複数回到達しているが、志賀原発は海抜11㍍の高台にあり、さらに高さ4㍍、長さ700㍍の防潮堤を設置していて、津波による原発の安全性への影響はなかったとしている。
ということは、数字で見ると福島第一原発を襲った高さ15㍍の津波にも耐えうるということなのだろうか。
⇒11日(日)午後・金沢の天気 はれ