「立春寒波」の雪は止まない。金沢地方気象台は昨夜、大雪警報を石川県加賀地方に出していてたが、現在は注意報に切り替わり、しんしんと雪が降り続いている。きのうから一夜明けた写真(上)ときのうのブログの写真を比べると、マツの木の枝や電線に積もった雪からも分かるように、積雪はかなり増えた。自宅周囲を物差しで測ると積雪は27㌢だ。きのうの撮影時は5㌢ほどだった。降雪はきょう夕方まで続く。
「値上げ寒波」も強烈だ。何度か給油したことがある市内のガソリンスタンドの前を通ると「会員価格レギュラー170円」の表示が出ていた=写真・下=。ほかのスタンドでも「168円」の表示が目立つ。この燃料価格の高騰には国・政府も焦っているようだ。
日経新聞Web版(4日付)によると、経済産業省は今月10日から、ガソリンや灯油など燃料価格の急騰を抑える補助金を上限の1㍑あたり5円に引き上げる見通しだ。最近の原油価格の高騰を反映し、現在の支給額の3.7円から上積みする。10日から1週間適用する。全国平均のガソリン価格を1㍑あたり170円に抑えるための激変緩和策だが、原料となる原油コストの上昇を補助金で相殺しきれず、補助金がすべて価格の抑制に回っても小売価格は170円に収まらなくなる。補助金は石油元売り各社に支給する。その分をガソリンと灯油、軽油、重油の卸値から差し引いてもらい給油所などの小売価格の上昇を抑える。
このニュースで、経産省の緩和策に違和感を持った。そもそも、ガソリン価格が上昇したときに、石油元売り会社に補助金を支給するというのはおかしな話だ。この政策を立案した経産省の役人は自ら乗用車を運転して給油した経験がないのではないか。というのも、ガソリンの店頭価格を決めているのはガソリンスタンドを運営する会社であって、石油元売り会社ではない。元売り会社は同じでも、写真のガソリン価格で販売しているスタンドもあれば、「164円」で販売しているスタンドもある。それぞれ地域の事情に応じた価格競争がある。ある意味、これが自由主義経済の原則というものだ。
経産省の狙いは石油元売り会社に補助金を支給することで、元売り会社を通じてそれぞれのスタンドの価格設定について圧力をかけるということではないのか。いわゆる「価格統制」だ。近所のスタンドのガソリンが高くなれば、消費者は1円でも安いスタンドに行く。それでも高くなれば、バスや電車などに切り替える、あるいは車の乗り合いをするものだ。その価格を考え、どのスタンドで買うか、あるいは買わないかを判断するのは消費者だ。
むしろ、石油元売り会社に補助金を支給するよりは消費者に還元すべきではないのか。たとえば、ガソリンが1㍑170円以上になった場合、給油スタンドで発行されたレシートをコンビニに持って行けば、その差額分で買い物ができるようにすればいい。さらにガソリン価格が将来つり上がるようならば、おそらくEV車への乗り換えが一気に加速する。
⇒6日(日)午前・金沢の天気 ゆき